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外伝その8 3

《まあまあ!アリサさん、私からよく言っとくから》


《ふっ……分かりました……》


少し間。


《リーフお嬢様、本当〜に困った人……ぶっぶっ……》


通信の向こうで、笑いをこらえる声。


「え〜っと……」


マリナが軽く咳払いをする。


「そういう訳だから――」


一拍。


「あなたは今日から、ウチの養女で

〝リーフレット・アレル〝よ!」


「ええ〜っ?!」


リーフが固まる。


「……私、養女ですか?」


「しょうがないでしょ?」


あっさりと言い放つ。


「娘……死んじゃったんだから?」


「リーフレットだったら、そのままリーフ読みでもいいでしょ?」


「まあ……!」


リーフは、明らかに不満そうな顔。


しかし、マリナは気にしない。


「でっ!」


テンポよく続ける。


「ケン君も、ウチの養子で

〝ケン・アレル〝になるわ!」


「は、はあ……?」


ケンが目を瞬かせる。


(なんか……すごい事をサラッと言ってないか?……この人?)


「で、ジャック君は――」


さらに続く。


「私の義兄の養子という事で……」


「名前はやっぱり、ジャック・アレルになるわ!」


マリナは満足そうに言った。


「つまり!」


軽く手を叩く。


「あなた達は、みんな親戚同士という訳ね!」


その時、ジャックが口を開く。


「本当に、ありがとうございます」


少し真面目な声だった。


「でも……俺の素性をご存知でしょうか?」


「俺は……」


言いかけた瞬間。


マリナ・アレルが遮った。


「ジャック君!」


声がはっきりと強くなる。


「所詮、人間なんて似た様なものよ!」


さらに続く。


「それに、生まれた境遇なんて人生の一部でしかないわ!」


一拍。


「我、アレル家では――」


はっきりと言い切る。


「生まれた境遇で人を判断しません」


「…………!」


ジャックは言葉を失った。


頬に、わずかな光が一筋流れる.....


「じゃあ」


マリナがさらっと言う。


「以上で、話はいいかしら?」


「そこに用事がないのなら」


「すぐ迎えの船を用意するけど?」


そして続ける。


「どうせそこは、今――」


「隔離されているはずよ?」


「えっ、隔離?」


リーフが振り向く。


視線の先はレイド。


レイドは静かに頷いた。


「わかりました」


リーフはすぐに答える。


「それでお願いします!」


「じゃあ、詳しい事がわかったら、また連絡するわ!」


マリナの声が明るく戻る。


「それまで、いい子にしててね!」


通信は切れた。


船内に静けさが戻る。


「リーフ」


ジャックが声をかける。


「俺達まで面倒かけていいのか?」


リーフは肩をすくめた。


「ふっ……気にしないでよ!」


そして笑う。


「お母様が言ってこなければ、私から頼んでいたわ!」


「なんか……」


ケンが首をかしげる。


「マリナさんって、不思議な人だな?」


「そお?」


リーフは軽く考える。


「変わった人だとは思うけど……」


ケンは心の中でつぶやく。


(やっぱり、親子だな……)


ジャックは何も言わず。


黙って、窓の外を眺めていた――。





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