表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
225/232

外伝その8 2

「あらっ!あなた1人じゃないみたいね?」


「あっ!どうも、ケン・トーマと言います!」

「ども、ジャック・ルノーです!」


「あらっ!」


少し間があく。


「一緒にお亡くなりになったメンバーが一緒なのね?」


そして、優雅な声で続けた。


「どうも、この度はご愁傷様で……」


「いえっ……どうも……」


思わずハモる二人。


ケンとジャックは、顔を見合わせた。


(なんだこの会話……)


「えっ、お母様!」


リーフが慌てて割り込む。


「勝手に死んだ事になったら、困るんですけど……」


「そうね……」


少しだけ声が落ちる。


「でも、あの地震で、たくさんの方が亡くなったの……」


一拍。


「だから学園側もつらい立場でね」


さらに一拍。


「ほら、私も理事長だから……わかるでしょ?」


ホホホホッ――


楽しそうに笑っている。


(この人は……自分の立場を守ったな……)


リーフはそう推測した。


「じゃあ、もういいですから……」


リーフはため息をつく。


「新しい市民コードを用意してもらえます?」


「はいはい!わかったわ!」


即答だった。


「すぐ用意させるわね!」


そして、ふと思い出したように続ける。


「それと――」


「ケン君とジャック君も一緒にどお?」


「死んだままじゃ、何かと不便でしょ?」


(不便って……どういう感覚なんだ?)


ケンの頭に疑問が浮かぶ。


だが、顔は笑顔だった。


「えっ、俺もいいんですか?」


「あのっ!俺もいいんですか?」


ジャックが身を乗り出す。


「叔母様?」


「もちろん!」


即答。


「……叔母様じゃなくて、マリナよっ?」


「あっ!お美しいマリナ様っ!」


ジャックの声が弾む。


「あらっ!」


マリナは嬉しそうに笑った。


「あなた見どころがあるわね!」


オホホホホッ――


完全に上機嫌だった。


その時。


横から鋭い声が飛び込む。


《奥様!どなたと話されているのですか?》


《あっ!アリサさん!いえっ、なんでも……》


《ちょっと、失礼致します》


ド・ガチャ――


携帯端末を取り上げる音がした。


次の瞬間。


声のトーンが一変する。


「もしもし?」


冷静で鋭い声。


「リーフ様ですよね?」


「あっ……アリサさん、お久しぶりです……」


「お久しぶりじゃありませんよ!」


間髪入れず叱責が飛ぶ。


「どこで、何をなさっていたんですか?」


「お母様がどれだけ心を痛めてらっしゃったか!」


さらに続く。


「それに――」


「わたくしの武術指南の日も、かなり溜まっております」


リーフの顔が青くなる。


「溜まった日数は」


一拍。


「すべて消化していただかないと!」


リーフは、


両手で耳をふさいでいた――。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ