外伝その8 ランドローネって、どういうとこ?
〝ジリリリリッ!!!〝
船内に、派手なアラーム音がこだました。
「うんっ……なんだ?……」
ケンは顔をしかめた。
突然の騒音に、まだ頭が追いつかない。
「えっ!ナニナニ?」
「かっ、火事?……」
となりの寝袋から、ジャックが顔を出す。
きょろきょろと周囲を見回した。
「もおっ……アリサさん!休みの日はゆっくりと……」
リーフは寝ぼけ眼で文句を言いかけ――
ふと、動きを止めた。
「あれっ?……ここ、どこだっけ?……」
「悪い悪い!」
声の主はレイドだった。
「私がタイマーを仕込んでいたんだ」
「もうすぐ、ランドローネに到着するよ」
にこやかに笑っている。
「もお〜っ!そういう事は、寝る前に言ってくれよっ!」
ジャックが大きく背伸びをする。
骨がポキポキと鳴った。
「ねっ!見て見て!」
リーフは小さな窓に顔を貼りつけていた。
「あれがランドローネなんだ〜っ!」
窓の外。
巨大な構造物が、ゆっくりと姿を現している。
「今からランドローネ内部へ進入するみたいだよ」
「まあ、すべて自動運転だけどね」
と、レイド。
「しかし、レイド」
ケンが少し真面目な顔になる。
「俺達、不法進入とかにはならないのか?」
「ふふ〜ん!」
リーフが得意げに胸を張った。
「そこは任せて!」
「ちょっとした裏ワザがあるから!」
ウインクひとつ。
「レイド!この船にも通信回線はあるんでしょ?」
「おそらく、ここまで来ればアルメニアとの通信もできると思うんだけど……」
レイドは軽くうなずく。
「ちょっと待ってて……データバンクに侵入するから!」
船内が静かになる。
数秒後――
「お待たせ、つながったよ!」
「情報コードは何番?」
「えっとね!
YXGDー5120ーLex.end.ALEL・・・」
「で、お願い!」
「……わかった。ちょっと待ってて!」
通信処理が走る。
「おいっ、リーフ。大丈夫なのか?」
ケンが小声で言った。
「そんな安易に連絡を入れて?」
「うん!大丈夫!」
リーフはあっさり答える。
「この回線は特別なの!」
「どんな場所からでも、すべての障害を排除して――」
にっこり笑う。
「直通でお母様につながるの!」
ケンは思わずジャックを見る。
(なんだその回線……)
「レイド!スピーカーでお願い!」
「ケンとジャックは黙っててね!」
「了解。繋がったよ」
次の瞬間。
「プ………ガチャ、はいっ!」
通信が開いた。
「あっ、お母様!リーフですっ!」
「ええっ!リーフなのっ?」
向こう側の声が一気に大きくなる。
「あなた、生きてるの?……」
「あっ!はいっ、まあ元気ですけど?」
「そうっ……良かったわ……」
一瞬、沈黙。
そして。
「お葬式は無駄になるけど……」
「えっ?」
リーフが固まる。
「私、死んだ事になってます?」
「うん」
あっさり答える声。
「あなたのお友達と一緒に、この前、合同葬儀がおこなわれたわよ!」
「ええっ!!!」
思わず、ケンとジャックも叫んでいた。




