最終章 3
そして、魔獣がいたはずの場所は――
無惨にも、焼け焦げた焦土と化していた。
黒煙がゆらゆらと立ちのぼる。
地面は溶け、ひび割れ、まだ熱を帯びている。
「ふっ……ミッションクリアよっ!ナゴル!」
リーフは、ビシッと親指を立てた。
〝うんっ!リーフ!〟
ナゴルも、誇らしげに胸を張った……気がする。
(うわ〜〜っ……地形ごと消し飛ばす勢いだったぞ……)
ジャックが小声でつぶやく。
(しっ!もっとボリューム下げろっ)
ケンが即座にツッコミ。
そこへ――
実体化したレイドが、全力で騒ぎ出した。
「わあ〜〜っ!すごい事になってる!!!」
ケン、固まる。
(そこ、レイドが騒ぐポジションか……?)
しかし、レイドは地面を覗き込み、目を輝かせた。
「まさか……こんな地面の近くに線路が隠れてたなんてっ……!」
焦土の下、焼け剥がれた地表から、金属の柱が顔をのぞかせている。
「ありがとう!リーフ!
おかげで、線路の場所がわかったよ!」
レイドが満面の笑み。
「まあ、予定どおりねっ!」
少しドヤ顔のリーフ。
すでに変化は解除済み。
となりで、
ナ〜〜ゴッ!
(さすがリーフ……)と言っている模様。
こうして、ケン達は無事、目的地――
旧・アシロ駅跡へと到着した。
日の出の方角へ、駅から約10km。
そこに地下への入り口がある。
それが、先生の地図に記されていた情報だった。
・・・・・・・・・・・・
翌朝。
再び、アシロ駅跡。
昨夜はレイド家で前祝い。
盛大にやりすぎた。
全員、やや寝不足。
「綺麗な日の出ねっ!」
リーフは妙に爽やか。
「でっ、あの日の出の方向に入り口があるんだよな?」
ケンがレイドを見る。
実体化したレイドは、静かにうなずく。
「ああっ!
もう場所は把握できてる。
転移ですぐ行けるよ!」
「行くかい?」
その瞬間。
「ここで、一旦、話をしましょう!」
リーフが手を上げた。
「ジャック。
前に言ってたわよね?
入り口は軍の管轄だって」
ジャックが肩をすくめる。
「ああ……。
行けばアルメニアには帰れるだろうけど――」
「無断侵入だな」
空気が少し重くなる。
「訳をちゃんと話せば分かるかもだが……
正直、保証はない」
「最悪、犯罪者扱いもあり得る」
「軍は、イマイチ信用できね〜からな」
ケンが腕を組む。
リーフも頷く。
「アレル家の裏ワザを使えば突破できるかもだけど……今は連絡が取れない」
「確実とは言えないわ」
「まあ……」
ケンが空を見上げる。
「施設に侵入できりゃ、携帯端末は使えるんじゃないのか?」
「理屈ではね。
でも“理屈どおり”に動かないのが軍よ」
沈黙。
そして、ジャックがニヤリ。
「じゃあさ――」
「とりあえず力技で押し切る。
そのあとアレル家の裏ワザに全力土下座」
「これでどうだ?」
空気が一瞬止まる。
……案外、現実的かもしれない。
※活動報告にイラストショップ開設のお知らせを掲載しています。
ぜひご確認ください。




