最終章 2
しかし、その時――
リーフが何かを察知した。
空気が、ピリッと張り詰める。
「ダメっ!!!これは、私がやるわっ!!!」
「ジャックは、引っ込んでてっ!」
即断。
「ええぇぇ〜〜っ!!!なんでぇぇぇ〜〜っ!!!」
ジャック、全力の不満顔。
だがリーフは、視線すら向けない。完全スルー。
空中へ向かって声を飛ばす。
「ナゴル!聞こえる!」
――瞬時。
〝ナゴッ!〟
頭の中に直接、返事。
「ちょっと、来て欲しいの!
私の位置はわかるっ?」
〝ナゴッ!〟
「じゃあ、大至急来て!」
〝ナ〜ゴッ!〟
その瞬間。
リーフの隣の空間が、ゆらり……と歪む。
影が、じわじわと浮かび上がる。
〝ナゴッ!〟
「よしっ、覚醒変化よっ!」
拳を握る。
空気が弾ける。
〝ナゴッ!〟
「ナゴル、今、リーフに敬礼しなかったか?」
と、ジャック。
ナゴル、ゆっくりとジト目。
次の瞬間――
ガブッ。
「いてっ!」
ジャック、スネを押さえて跳ねる。
「お前、余計なこと言うなよ……」
と、ケンが呆れる。
そして――
リーフが、光に包まれた。
白い閃光。
装甲が展開する音。
赤い瞳が点灯。
赤いブレードが、ギィンと鳴る。
リーフの究極体。
アルティメット・ナゴル。
・・・・・・・・・・・・
その時。
森がざわついた。
ザワザワザワ……
重いはずの体。だが足音は軽い。
カサカサカサカサ……
黒い影が、ぬらりと姿を現す。
テカテカと光る巨大な外殻。
「あっ……こ、これは……」
「カブトムシ!」と、ジャック。
即ツッコミ。
「バカ!ツノがねぇだろ!」
「あっ、クワガタって言うヤツ?」
「だ・か・ら・ツノがないだろっ!」
ケンが三段ツッコミを決めかける。
「これは、ゴキ――」
「それ以上は、言わないでっ!!!」
リーフ、秒速遮断。
「あ……うん!」
ケン、不完全燃焼。
「ナゴル!いくわよっ!
最大火力よ!!!」
〝ラジャー!〟
ブレードの先端に、光が凝縮する。
空気が震える。
光球が膨張。
キィィィィン――
ドッシュウウゥゥゥゥッ!!!
極太レーザーが一直線に貫いた。
ドッガァァァァァンッ!!!
閃光。
爆音。
衝撃波が地面を削る。
突風が吹き荒れ、木々がなぎ倒れる。
振動が、しばらく止まらない。
やがて――
静寂。
煙が晴れる。
そこには――
魔獣の影も、形も、存在していなかった。
ただ、焼け焦げた大地だけが残っていた。
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