最終章 遥かなるユートピア
バギラ城を後にしたケン達一行。
もはや、立ちはだかる敵はいなかった。
騒動もない。
昼は移動。
夜はレイドの家でくつろぐ。
そんな日々を、淡々と繰り返していた。
だが――
今日は様子が違う。
霊体のままのレイドが、落ち着かない。
揺れる。
漂う。
止まらない。
何か、ある。
「レイド、なんかソワソワしてるけど?」
「何かあったのか?」
ジャックが声をかける。
〝いや……この辺に探し物があるはずなんだ〝
〝先生から受け取った地図では、そうなっている〝
「へぇ〜っ?」
「で、何を探してるんだ?」
ケンが首を傾げる。
〝ちょっと分かりにくい物なんだよね〝
〝昔、地上で使われていた移動手段の一部〝
〝“線路”って呼ばれていたものだ〝
「聞いたことないわね」
「どんな物なの?」
リーフが腕を組む。
〝説明しづらいけど……金属の四角い柱みたいなものかな〝
〝それが二本、平行に長く続いている〝
〝その上を車両が走っていたんだ〝
「説明だけじゃピンとこないな」
ケン、苦笑。
「なんでそんな面倒な物で移動してたんだ?」
「エアーカーの方が楽だろ?」
ジャック。
「バカね〜」
「やっぱりバカ」
即答、リーフ。
「エアーカーは最近の乗り物よ」
「昔はなかったの」
「あっ、そうか!」
「でもさ、そんな短時間に二回も“バカ”って言う必要あるか?」
むくれるジャック。
ケンは無視。
「で、それを見つけて乗るつもりか?」
〝いや、それは無理〝
〝でも線路の“先”に目的地がある〝
〝線路の気配を辿れば、辿り着けるはずなんだ〝
「なるほどな」
「つまり線路を見つければ、ゴールが見えるってことか」
ケンが微笑む。
〝うん、そういうこと〝
「えっ?何がそういうことなんだ?」
ジャック。
パシッ。
「あなたは余計な口を挟まないの」
リーフの軽い一撃。
「いてっ!」
「俺の扱い、軽すぎないか!?」
むくれるジャック。
その時――
レイドが、止まる。
〝うんっ?〝
〝何か来る〝
〝魔獣っぽいけど……少し違う雰囲気だ〝
空気が、変わる。
ジャックの目が光る。
「何っ!」
「久々のお客様じゃねぇか!」
剣を抜く。
「俺がやるぜっ!!!」
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