第11章 38
「思わず、ゲロってしまったが……」
「私の体の一部(負のエネルギー)は返してもらう!」
バギラが、両手を高く掲げる。
空間が歪む。
吸引の気配。
――だが、その瞬間!
キィィンッ!!!
眩いシールドが、バギラの体を包み込んだ。
「……うんっ?」
自分を覆う光を、不思議そうに見つめる。
「簡単に返すわけ、ないでしょ?」
リーフ。
いつの間にか、復活。
しかも――アーマード変化済み。
さすが、リーフさん。
「リーフ!!!無事か!?」
ケンが声を上げる。
「え?大丈夫よ?」
「ちょっと、考え事してただけ!」
微笑む。
(いや、あれは“考え事”の顔じゃなかったろ!?)
ケンの心の中ツッコミ、炸裂。
「俺も登場!!!」
「で、俺は何すりゃいい!?」
遅れてきたジャック。
……予定通りだな。
〝ジャック!〝
〝特大の光弾で、玉座の間の天井を吹き飛ばして!〝
レイドの指示が響く。
「了解!!!デッカいやつだな!?」
次の瞬間。
ドッガ〜〜〜〜ンッ!!!
特大の閃光。
衝撃波。
天井が吹き飛ぶ。
瓦礫と光。
外界の光が、一直線に差し込む。
玉座の間を満たしていた負のエネルギーが――
外へ。
溶ける。
拡散する。
すべて、空へ。
それを、静かに見上げるバギラ。
……さすがに、落胆の色。
そして――
その姿が、変わる。
体は、やや小柄に。
色は、濃いグレー。
あの禍々しい黒の奔流は消えた。
だが。
強大さは、消えていない。
質が、変わっただけ。
「まったく……酷いな、キミ達は」
「寄ってたかって……」
「これじゃ、うまく遊べないじゃないか」
不満顔。
「もともと、テメェに弄ばれたいヤツなんて居ねえんだよっ!」
ケンが吐き捨てる。
「そうかな……?」
「それは少し違うと思うけどな……」
ニヤリ。
「ねえ、ドラン君?」
視線が向く。
そこに――
ドランが、静かに佇んでいた。
「バギラ様……残念ですが」
「今後、あなたを拘束させて頂きます」
静かな宣告。
「この後は、地下の封印の間へ移動して頂きます」
そして、ケン達へ向き直る。
「地下の封印の間は、完全なる孤立空間だ」
「外界からの干渉は一切不可能」
「その後の心配はない」
淡々と説明。
「別に構わないけどさ……」
バギラが肩をすくめる。
「娯楽品は充実させておいてくれよ?」
「退屈が一番嫌いなんだ」
最後まで、ブレない。
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