第11章 37
(もしかして……お前が削った分、意外と効いてる?)
〝うん、その可能性はある〝
〝まだ断定はできないけど……〝
(なら、仕掛ける!)
バギラは、わずかな違和感を抱いていた。
体の反応が、ほんの少し遅れる。
意志の伝達が、どこかで阻害されている。
理由が、掴めない。
「ふふっ……面白い経験だ……」
楽しんでいる。
その隙。
間髪入れず、ケンが踏み込む。
ガキッ!!!
バキッ!!!
槍と大剣が激突。
火花が散る。
衝撃が空間を震わせる。
「キミの今の状態……悪くないね!」
バギラは笑う。
だが――
ケンは止まらない。
突き。
突き。
突き。
ドヒューンッ!!!
バキッ!!!
飛ぶような加速。
一直線。
しかし、大剣がそれを軽くいなす。
(レイド……どうだ?)
(前ほどの圧を感じない)
〝キミが強くなったのと、バギラが弱まっている〝
〝減衰自体は大きくない〝
〝だが、内部の正のエネルギーが干渉している〝
〝それが行動のズレを生んでいる〝
(なるほどな……)
(崩せる……!)
同じ軌道へ、連続突き。
一発。
二発。
三発。
バギラは回避。
だが――
最後の一撃。
わずかに、読みを外した。
バランスが崩れる。
そこへ――
ケンの足払い。
バギラの体勢が大きく傾く。
咄嗟に大剣を地面へ突き刺す。
倒れ込みを、辛うじて防ぐ。
だが――
背が、空いた。
ドヒューンッ!!!
槍が閃く。
バキッ!!!
ドッバ〜〜〜ンッ!!!
背面装甲に、数センチの亀裂。
そこから――
凄まじい量のエネルギーが噴き出す。
轟音。
衝撃波。
「くっ……なにっ!」
バギラの目に、初めての戸惑い。
自分の世界で。
自分の支配する空間で。
こんな体験は――初。
「初めての経験だなっ!」
そして。
笑った。
「キミから、こんな経験をもらえるとは……」
素直な喜び。
「お前が今まで与えてきた“経験”に比べれば、大したことはない!」
ケンは言い放つ。
噴き出したエネルギーが、玉座の間に充満する。
黒と紫が、濃く漂う。
空間が、軋む。
バギラの姿が――
揺らぐ。
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