第11章 36
すると――
急に、心が軽くなった。
重たい荷物を、下ろしたような感覚。
胸の奥が、すうっと開く。
気づけば、俺は微笑んでいた。
目の前に、レイドが揺らめく。
〝やっと、帰ってきたね……〝
〝どうだった?〝
(うん……なんか、少しスッキリしたかな)
〝うん、滞っていた気の流れが戻ったみたいだ!〝
〝これなら、アルティメットを解放できる!〝
〝お疲れ様!〝
(ふっ……ありがとな)
長年、胸の奥に溜め込んでいた
重たい〝かたまり〝が、溶けた気がした。
懐かしくて、少しだけ、寂しい。
でも――
前に進める感覚。
・・・・・・・・・・・・
〝あとは、この止まった時間を戻すだけだ〝
〝大丈夫?作戦は頭に入ってる?〝
(ああっ、後はやるだけだ!)
〝じゃあ、戻すよ〝
(やってくれ!)
・・・・・・・・・・・・
時間が、動く。
バギラは、ケンの様子を探っていた。
「キミ、大丈夫?」
「かなり動揺してたみたいだけど……」
「まさか、これで終わりじゃないよね?」
言葉を待っている。
だが――
ケンは、静かだった。
「終わり……?」
「いやっ、終わりなんかじゃねえ」
少し、微笑む。
「安心してくれ」
「まだ“次”がある」
「えっ……絶望してたんじゃないんだね?」
バギラは、わずかに安堵する。
「じゃあ、また何か見せてくれるんだね!」
まるで、手品をねだる子供のように。
「ああ、安心しろ」
「次の見せ物は、ちゃんと用意してある」
(レイド、やっていいんだよな?)
〝ああっ、大丈夫!〝
〝今回は――私とケンが合体する〝
〝ケンは精神統一を〝
〝合体は、私が制御する!〝
(わかった!タイミングは任せる!)
その瞬間。
ケンの体が、輝く。
今度は、まばゆい。
青ではない。
光は、純白へと変わっていく。
溢れ出す。
空間が、軋む。
そして――
輝きが収束した。
そこに立っていたのは。
まばゆい白の甲冑。
神聖さすら帯びた姿。
「これが……アルティメット・レイダーズ?」
手には――
鋭く輝く槍。
〝サンライズ・ミューズ〝
「これが、次の見せ物だっ!!!」
「そうなんだね!」
「じゃあ、続きをしようか!」
バギラは、安心したように微笑む。
その手に――
黒いオーラを纏う大剣が錬成される。
重い圧。
空気が、裂ける。
ケンは、一気に踏み込む。
正面から、貫く!
バギラは、軽くいなすつもりだった。
だが――
わずかに、よろめいた。
「……うんっ?」
ケンの目が細まる。
(レイド、今の動き見たか?)
〝うん……少し変だった〝
(ああ……なぜだ?)
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