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第11章 28

「マジかよっ!」

ジャックは、久々に鳥肌が立つのを感じていた。

「世の中に、こんな存在がいるとはな……!」


リーフは顔面蒼白。

言葉が、出ない。


「全員が行く必要はないかもしれない!」

レイドが低く告げる。

「これは、人数でどうこうできる相手じゃない!」


「リーフ、キミは――」

言いかけたレイドを、リーフ自身が制した。


「レイド、ありがとう」

静かに、しかし強く言い切る。

「でも、ここまで来たのは全部、自分の意志よ」

「誰かに強制されたわけじゃない!」

「私は、自分の選択を最後まで見届ける義務があるの!」


その顔に、もう迷いはなかった。


「……わかった」

レイドは一度、目を閉じる。


「皆んな、聞いてほしい!」

「私はここに宣言する!」

「全員を、生きて生還させる!」

「それは――必ずだ!」


そう言い残し、

レイドは静かに、自分の身体を霊体へと戻した。


ケンは無言で、ドアノブに手を掛ける。


重厚な見た目とは裏腹に――

ドアは、音もなく、するりと滑るように開いた。


その先にあったのは、完全な闇。


だが、不思議と。

全員が、その部屋の構造を“理解”していた。

視界ではなく、気配で。


「……ここは、地獄かもしれないな」

ケンは誰にともなく呟いた。


部屋の中央、奥。

そこに玉座がある。


そして、その玉座に――

ひとつの存在が、佇んでいた。


いや。

静かに、ではない。


その存在は、わずかに――

そう、微笑んでいた。


「やあっ!」

「待ってたよ、キミ達。首を長〜くしてね!」


その口調は、異様なほど子供じみている。


「……あれ?」

「反応なし?」

「もしかして、本当に首、長くなってる?」


一瞬の間。

そして、楽しそうに続ける。


「私の思いってね、ときどき具現化しちゃうんだ」

「この魔界もそう」

「ちょっと思ったら、いつのまにか、できちゃってさ」


肩をすくめるような仕草。


「だから、基本ヒマなんだよね……」


そして、目を輝かせた。


「でも!」

「キミ達は、もしかしたら――」

「私を、ほんの少しだけ楽しませてくれる存在かもしれない!」


「そう思ってさ!」

「ずっと、来るのを楽しみにしてたんだ!!!」


満面の笑み。

それは、歓迎と狂気が完全に重なった笑顔だった。



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