12/126
第一章 7
ロード・カーゴは静かに校庭を出発し、地下空洞の長い通路を滑るように進む。
車窓から見える緑色の光ゴケが揺れるたび、ケンは思わず息を飲む。
「やっぱり地下でも、自然って美しいんだな…」
リーフが隣りで微笑む。「ねえ、ケン!鍾乳洞って好き?」
「嫌いじゃないよ、むしろ楽しみかな?」
ジャックは後ろで腕を組み、興味なさそうに呟く。「俺は見学とか工場とか、正直あんまり興味ないけどな・・・」
カーゴは地下空洞の壁をすり抜けるように進み、徐々に上向きに登っていく。
サブリナ丘の鍾乳洞は、アルメニアの地下空洞の中でも特に自然の造形美が残されている場所だった。
ケンは窓の外に目をやりながら、リーフとジャックとの冒険に胸を躍らせる。
「今日は絶対に、楽しい一日になるな!」ケンが小さくつぶやく。
リーフはニコッと笑って頷いた。
その瞬間、三人の間に、言葉にならない友情と少しの興奮が流れた。
しかし、この日の野外実習が、ただの学校行事ではなく、彼らの運命を大きく動かすことになるとは、この時点ではまだ誰も知る由もなかった。




