第八章 13
魔獣が、ついに消滅し、そして張りつめていた空気が緩む。
その瞬間だった。
ふわり、と空気が歪み、
3人の背後に、見慣れた気配が戻ってくる。
「……ただいま」
声と同時に、半透明だった姿が輪郭を持ち、
レイドはゆっくりと実体化した。
「レイド!」
「無事だったのか?」
3人が一斉に振り返る。
レイドは、少しだけ興奮を残したような表情で、肩をすくめた。
「実はね。
キミたちが戦っている間に、魔獣の“頭の中”に侵入してきたんだ」
「……は?」
ケンが思わず聞き返す。
「そこで、いろいろと情報を回収できた。
それと――どうやら僕、こういう行為が好きみたいだ」
一瞬の間。
「なんて言うか……“興奮”してた」
「ヘェ〜……」
「そりゃ、昔の記憶とかじゃないか?」
ジャックが軽く言い、リーフもうなずく。
「そうだな」
「あり得るな」
レイドは小さく笑った。
「うん、たぶんね」
そして、空気を切り替えるように、真顔になる。
「それで、ここからが本題なんだ、、、」
「ここでは落ち着いて話せない。一度、僕の家に戻らないか?」
3人は顔を見合わせ、短くうなずいた。
近くにいた獣人のリーダーへ事情を伝えると、
彼はまだ呆然とした様子で、それでも深く頭を下げた。
「……助かった。恩に着る」
その言葉を背に、
4人は静かにその場を離れた。
向かう先は――レイドの家。




