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第八章 3

ケンたちを先導した獣人の姿は、草原の奥の小高い丘まで続く小道の先で消えた。

目の前に現れたのは、土や石でできた小さな集落。丸い屋根の家々が点在し、煙がわずかに立ち上っている。


「……生活してる……」

リーフは小声でつぶやいた。

確かに、この世界の住人は過去を持たないが、日常を生きている。水を汲み、家を修理し、互いに声を掛け合う。


「誰かに……会いに行くのか?」ジャックが小さくつぶやく。

「……いや、まずは様子見だな?!」

ケンは、静かに歩いた。


すると、子供のように小さな獣人が、ふいにケンたちの前に飛び出した。

「お前、誰だ?」


「わからない」

ケンは前と同じ答えを返す。子供の獣人は眉をひそめるが、すぐに手を挙げて笑った。

「ふーん、面白いな。なら案内してやるよ」


子供の獣人が案内してくれる途中、ケンの靴紐がほどけて転びそうになる。


「おい、大丈夫か?」ジャックが手を伸ばすと、リーフが笑いながら「まぁ、地球人らしいドジッぷりね!」とつぶやく。


ケンは真っ赤になりながらも、靴紐を結び直す。

子供の獣人は「フフフ、やっぱり面白いやつらだな」と笑い、軽く肩を叩いた。


小さな獣人に導かれ、ケンたちは集落の中心にある広場へとたどり着く。

そこには大人の獣人たちが集まり、鍋や火を囲んでいた。香ばしい匂いと、わずかな笑い声。

リーフがそっとケンとジャックの肩を押す。

「……普通の人間みたいなものよ。慌てることはないわ」



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