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エルフの里到着

湖のほとりから鳥の幻影に導かれ、私たち三人はついにエルフの里にたどり着いた。


「ほら、ここやで!」


マルクが得意げに手を広げると、目の前に光る樹でできた家々が並ぶ集落が広がった。

星実の木のような青白い光を放つ幹や枝が、家や小屋の形になっており、屋根にはキラキラと輝く葉が揺れている。

まるで夢の中にいるようだ。


「これ、光る樹の家?すごい綺麗〜!」


私は目を輝かせ、飛び跳ねる。

こんな場所に住めるなんて、最高すぎる。


「落ち着けって。考えても見ろよ。こんな光る家、住みづらそうじゃねぇか?」

レオンが呟く。

「こんな素敵な場所で文句を言うなんて信じられない!見て、この輝き!」


キラキラと輝く家々は、おそらく祭り仕様のようだ。

さらに光る実や宝石が外に飾られている家もかなり見受けられた。


「この光のおかげで里のみんな元気やねん。眠れへんから祭りも盛り上がれるんやで!」

「眠れない……?それは元気なのか?」 


レオンが眉をひそめるが、私は「祭りが盛り上がるなら最高じゃん!」と、さらにテンションが上がっていた。


集落の中に入ると、エルフたちがわらわらと出てきて歓迎してくれた。


しかし、待ってほしい。

このエルフたちは、私の想像と大きく異なっていた。


みんなプリンプリンに肥え太っているのだ。

丸いお腹が服から溢れ、頬はぷっくりと膨らみ、手足もムチムチだ。

エルフといえば、細身で優雅なイメージだったため、私とレオンは目を白黒させる。



「エルフって……こんなにプリンプリンなの!?」

私とレオンは口を開けたまま固まった。

「エルフって細いんじゃないのか……?」


マルクが手を叩いて爆笑する。

「ハハハ!せやから言ったやろ。里のモンはプリンプリンやて。食べることこそがエルフの長生きの秘密なんやで。年を取って食べることに飽き、村に飽きたエルフが外に出るから、里の外の人はエルフが細いと勘違いしてるっちゅーわけやな。」


「しらなかった……!」

私は目を丸くして納得する。


「プリンプリンでもエルフはめっちゃ可愛いんやで!見てみぃ!」


マルクが指差すと、確かにムチムチのエルフたちがニコニコと笑っており、丸い顔にキラキラした目が愛らしい。

なんだか……癒される。


「うわ、本当だ!プリンプリンで可愛い〜!」

エルフの新しい魅力を発見してしまった。


「お前ら……。可愛いって……。まあ、確かに悪くはねぇけどさ」

レオンが少し顔を赤くしながら、居心地悪そうに頭を掻く。


「レオン様も男っちゅうことやな!エルフのプリンプリンは目に毒かな!ハハハ!」

マルクがからかうと、レオンは「うるせぇ!」と顔を赤くしてそっぽを向いた。


「さて、わてはここで実家に帰るで。お二人さんは長老の家に行ってな。一番でかい建物や」

「え、マルク、帰っちゃうの!?」

私は少し寂しくなり、マルクの手を掴んだ。


「せやかて、実家で親父とお袋に会わなあかんねん。旅の土産話もせなあかんしな!またこの村で会えるさかい、泣くなよ、魔女はん!」

マルクが優しく笑って、私の頭をポンポンと撫でる。


光る樹の家々がキラキラと輝く中、プリンプリンのエルフたちが祭りの準備を始めていた。


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