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今こそ殺された怨み ①
気がつけば梅雨の時期に入り折り畳み傘を鞄に入れていないと急に天気が変わり雨が降り出すなんて事も多くなってきた。
私の日常生活の中に友人と呼べる存在が出来てからあっという間に時間は過ぎていた。
あの事件の記憶も薄れつつある中私は無事平穏な日常を取り戻しつつあるが彼女が私の側を離れないということは事件は終わっていないということ。
この日常を望み続ける限り私の平穏は一生訪れないということでもある。
むずかいしい事を考えてしまうのは雨のせいなのだろうか?
とにかく授業に集中できずに外ばかり眺めて物思いにふけているとあっという間にに授業が終わりお昼休みになる。
隣の席の彼女はお弁当を持ち私に声をかけてくる。
「さぁ早く食べに行こう」
体育館裏は雨で食事なんてできないため仕方なく私たちは空き教室で昼食を済ませていた。この学校では空き教室に鍵がされておらず教師もお昼休みなどで使う分には特に何もお咎めなしなのだ。
私はハンバーグを口にしていると彼女はいう。
「実は最近上司から報告があったんだけど、この学校に幽霊の反応があるって」