地球外生命体!? ❸
こういう時普通はドキドキしたりだとかもう少しムードがあると思っていた。ただただ感情のないこの行為に私は怒りだけを覚えた。
「意味がわからないんだけど、それに人の胸触るってどういう神経してるの?」
「何を怒っているんだい?」
「質問を質問で返すな、王族だとかなんとか言ってるけど結局私に興味を引きたいだけなんじゃないの?」
「仕方がない」
そういうと私の視界は真っ暗になった。
光が見えた時にはそこは体育館裏ではなかった。
「どうだいこれがアンドロメダ銀河だよ」
モニターには星々が光っている。
「いやなにこれ、それにここどこ?」
「ここは私の宇宙船だよ、私達はあらゆる種と交配を続け無数の能力を手に入れた最強の軍事国家、銀河連盟加盟国であり連盟の中で最強なのだよ」
「ますます意味がわからん、そもそもこれが夢だって可能性があるじゃん」
刹那、私の左手を彼女はあろうことかもぎ取った。
痛いなんて生優しい言葉では済まない。動悸に頭は真っ白になる。心臓は異様な速さで鳴り響く。
「私は王女だ。今後は言動に注意した方がいい」
そういうと私の腕をつけると最初から何事もなかったかのように綺麗にくっついていた。
紛れもなく彼女は人間じゃない。
「私はあんたなんかと絶対に結婚なんてしない」
「なら死ね」
彼女は再び私に腕を振り下ろす。
目を瞑り自分の最後を走馬灯もなくただただ一瞬の出来事で命を落とすのだ。なんて悲し人生なのか。
痛みも感じない、何が起きたのか恐る恐る目を開けると腹を剣で貫かれ大量の血が池を作り悶えて苦しむ彼女がいた。
「いやぁー遅れてすいません、まさか行動を起こすなんて」
同じ銀髪だが瞳は七色に光なぜかメイド服を着用し右手に刀左手にはモップを持っている。
「危ないところでしたね、危うく拉致された上に人間標本にされるとこでしたよ」
一連の出来事に頭が追いつかない私にとてもキュートな笑顔を私にした後彼女は腹に刺さった剣を引き抜くと私を襲ったそいつは息絶えた。
「まぁ詳細はおいおい説明します。とりあえず自己紹介だけ」
敬礼をし彼女は真面目に喋り始める。
「銀河警察特殊犯罪対策課所属リーナル・クロン\エタニティーと申します」
気がつけば体育館裏に戻っていた。
「それではこれで」
謎の宇宙警察と名乗ったメイドはどこかに消えた。
とにかく意味がわからないことばかりできっと私は昼寝をしてしまい変な夢を見てしまったんだそう思う事にした。
予鈴がなり私は慌てて教室に戻った。
次の授業開始1分前に席に着いた。息を切らしながら机の中から教科書を取り出している最中私は違和感に気づいた。
隣の席には転校生の銀髪美少女がいがはずだが隣にいるのはメイドの格好を先程までしていた警察だった。
驚いているのに気づいたのか舌をだしウィンクをしてきた。
事の顛末としてはどうやら私はなぜか有名な犯罪者に狙われてしまったらしい。
彼女の母星にあらゆる人種をコレクションする愛好家が多くメタフォリ星人は姿を変え人を攫うらしい。
放課後誰もいなくなった教室で私達は二人っきりだった。彼女もまた銀髪だった。
夕焼けに垂らされノスタルジーな雰囲気の中訳のわからない説明をひとしきり終えた後彼女は言う。
「メタフォリ星人はとても面倒な奴らです。そんな奴らに狙われてしまった以上私が事件解決まで守ってみせます」
これが私と彼女の出会いだった。奇々怪界な馬鹿げた話がまだ後何個も残っているのでそれはまた今度。