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I'LL  作者: 結城あさのり
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プロローグ

「ねぇ、どうして役者になったの?」


 そう聞かれたことがあった。あまりに脈絡がなく唐突にそう聞かれたものだからすぐに反応することが出来なった。真っすぐに向けられた視線に、怖くなった。試されていると直感的に感じたからだ。この人が正解だと思う答えを返さなければ。それだけが頭を支配し、言葉が喉の奥につかえて出てこない。


「あ……」


 やっと零れた声は小さく、空気に紛れた。その瞬間、空気が和らいだ。


「まぁ、なんでもいいんだけどね」


 これまで真っすぐこちらを見据えていた視線が外れたからだ。安心すると同時に、失敗したと思った。自分はこの人の期待に応えることが出来なった。あの人にとっては、ほんの雑談程度だったのかもしれない。けれど、いつまでもこの言葉が、あの品定めをするような目が、記憶の中で自分を責め立てるのだ。

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