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お題シリーズ5

ひとりぼっちの幽霊

作者: リィズ・ブランディシュカ



 幽霊でひとりぼっちってかなり悲惨。


 その土地に縛られてる私は動くことができない。


 どういう理由で死んだのか分からないけど、生前の私はそうとうそこを動きたくなかったみたいね。


 私は、どうにかそこから離れようとしたけど、いつも失敗。


 一定距離を移動したら、元の場所に戻されてしまうの。

 

 ここ、人が来ないから退屈なのよね。


 廃墟のホテルだもの。


 運が悪いことに、やんちゃな集団が肝試しをするのにもためらうくらいの、廃れっぷり。


 おかげ様で何年もひとり。


 はぁ、誰か悪党でもいいから来てくれないかしら。





 数年前、借金をなすりつけられて女に逃げられた俺は、やばい人間に追われて各地を転々とする生活を送っていた。


 人目を気にする生活は過酷で、体力も精神も消耗するばかりだ。


 今度あの女にあったら、ただじゃおかない。


 とは思うものの、警戒心の強い女だったから、もう二度と会うことはないのだろう。


 もうその件に関しては諦めていた。


 それより明日の生活の心配のほうが重要。


 やつれはてた俺は、身を隠すためにとある廃墟へ向かった。


 やんちゃな人間すらためらう荒みっぷりの廃墟。


 訳ありの人間にはいい隠れ場所だ。


 ボロボロの階段をのぼって、各階を見て回る


 どこの階もガラスが割れてて、風が吹き込んでくるな。


 寝泊まりするには、もっといい場所を見つけなければ。


 あちこち壊れた廃墟を探索していると、不意に声がかかった。


「あっ、そこの床抜けるから気をつけたほうがいいわよ」


「あっ、これはご丁寧にどうも」


「「……」」


 こんなところに人がいるわけがない、と気づき真っ青になる。


 しかし、そこにあった半透明の女の顔を見た俺は、すぐに真っ赤になった。怒りで。


 俺はその女をみて、思わず叫んだ。


 お前そんなとこにいたのかよ!



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