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少女でおじさんな悪 17

 スラムのビル。暴力団が違法に支配していたビルが本社だ。形式上は誰かのものだけど、崩壊によって管理者がわからない。そのため法律に基づき、持ち主が不在の場合の権利放棄の処置がとられていた。




 崩壊前にも似た制度はあった。それを崩壊後によって期間の短縮化。5年以上の管理者不在は国有地となった。もしくは管理した誰かのものになった。




 暴力団のものにはなっていない。管理者を明確化すると税金が発生するからだ。




 別の場所に名義上の住所を設置。実際はスラムで行われる違法行為。




 崩壊前でもよく行われる手段。それは今では普通に行われることだ。僕たちは正式に手続きを踏みかけていた。正規な手続きには不正手段も混じっている。口座と住所の名義は、偽造だ。一都三県での架空名義によるもの。




 雲白空という偽物の名義でだ。本名は勿論違う。名前を沢山持っているせいか、本名も偽名も見分けがつかない。どっちが正しくて間違っているかすら認識が薄れた。




 本名なんて忘れて当たり前だと思ってる。




 むしろ本名だけを使ってる人を信じれない。都市伝説レベルの認識でしかなかった。




 暴力団も僕もやってることは同じだった。








 その本社の気配は重さが違った。静まり返っていた。僕が来ると空気が凍る緊張感がなかった。思わず入り口付近で足を止めた。いつもと違う違和感が警戒をうむ。片手で高梨を制した。




 耳をすましても、聞こえない。




 人の動きの気配すら感じ取れない。




「ロッテンダストさん?」




 高梨がこちらを困惑した様子で見てくる。この空気というより、僕に対してだろう。急に態度を警戒にかえ、状況把握に努めているからだろう。自分たちの住処にすることではない。






「高梨さん、気づかない?」




 わき目もふらず、受付をすぎた先の通路に意識を向ける。そこにあるのは薄暗い通路なだけだ。何らおかしな点はない。元々壊れた個所はそのままだ。新しい損傷もない。




 いつもと変わらない光景なのに、いつもとおかしな点がある。








「気づく?」




 高梨が困惑を更に深くさせた。頭がごちゃごちゃになっているのか。周囲を見渡しても答えが見つからず、反応に困っていた。だが僕の様子が険しくなっていたのに対し、疑う様子はなかった。周囲を警戒を見せた。




 いったことを素直に聞く時点で、危険な目に合わせるつもりはなかった。即座に退却の考えを持つ僕。高梨に対し、下がるよう手で合図。






「ここから出よう」






 その言葉に高梨がうなずき、動き出す瞬間。




 わずかに殺意が飛んできていた。




 僕は行動した。体を低くし高梨の両太ももを蹴り上げた。痛みがないよう調整した蹴りが、高梨の後ろから倒れる形にした。倒れる先に手を用意しておき、高梨の背を抱きかかえた。両膝の後ろにも手を回し、即座に離脱。






 大きく飛び、数歩先の地点に着地。ビル内へ誘導されるように進んでしまっていた。抱きかかえたまま振り返った。




 僕たちのいた場所に何かが起きた。しかしながら何も変化はない。殺気と共に飛来した何かは痕跡を残さなかった。破壊後もない。




 目に見えない変化が起きた。




 高梨が突然の暴挙に驚いたのは後だ。




 その場所を忌々し気に睨む僕とを比べる高梨。何もないが、何かが起きた。その現象は目に見えないけども、確実な殺意があった。高梨が怪訝そうだ。だが抱きかかえられていることに気づき、暴れかけた。状況を理解してしまったことによる混乱。




 良い年齢した大人が少女に抱きかかえられる図。男のプライドというものが起きたのだろう。だけど僕は離さなかった。




 小太りの男であっても軽い。軽いけど、まさか僕が男性を抱きかかえる羽目になるとは思わなかった。本来ならヒロインを抱きかかえる場面のはずだ。




 そして、再び殺気が足元へ。




 僕は後ろへ飛びのいた。殺気が確かに足元の床を直撃し、霧散した。見えないのに、攻撃はあったはずなのに証拠が残らない。徐々に殺気が届く速度が速くなる。足元、僕の肩口。背後からの襲撃。




 見えなくて形にもならない一撃は僕を狙っている。




 入り口に戻ることは不可能だ。




 なぜかわからないけれど、殺気が何度も出入り口を叩いている。見えないが、確実に待ち構えた罠がある。立ち止まれば殺気に狙われるため、足をとめずにエントランス内をぐるぐる回る。時に周期的に動けば、先回りの殺気が飛んでくることも確認。






 仕方なしに通路へ。奥へと進む。駆ける足、高梨を抱きかかえたまま通路を進む。狭い通路だ。簡単に奥へたどり着き、階段を跳ねあがる。階段など面倒くさく、そのまま地を蹴った。




 階段の区切り。小さく開けた中間地点にたどり着く。瞬間、殺気。足がつく前にすぐさま高梨を宙へ高く放り投げる。天井ぎりぎりまでに触れる高さまで、打ち上げた。その後着地。着地と同時に僕は殺気が霞めないよう、くるりと反転。両手をそろえるようにした反転での、上体を後方へできる限り傾けた。




 先ほどまでの上体着地点と傾けた上体の空き具合。ぎりぎりに殺気が抜けていく。抜けていくのと同時に広場の壁をけり、上層へ一気にいくため空を舞う。床へ落ちていき、悲鳴をあげそうな高梨をつかんだ。そのまま上層へと着地。




 二階にたどり着いた




 殺気は飛んでこない。








 ゆっくりと警戒しながら進む。奥へ。奥へ。ここまで来ると高梨も怪訝に思ったのだろう。いつもであれば人の声が一つぐらいあってもおかしくない。一階とは違い、二階は職場だ。




 


 ここまで無音だったか。無人であったか。






 通路を進み、一つの部屋へたどり着く。かつて暴力団の組長と片腕と最初に出会った応接室。扉の前で逡巡していた。




 警戒した際、向こう側の気配を探る。




 何も感じない。




 だが開けたくない。




 僕はそっと高梨を降ろした。このビル内は現在おかしなことになっている。何かが飛び、変化を起こさない一撃が襲ってくる。




 その時だった。向こう側から声がした気がした。気のせいではない。




 案内の声が先にやってきたからだ




「…空いてるからどうぞ」




 催促するよう間の空いた声が届き、僕たちは少し固まった。高梨を手で払う。できるだけ相手側の死角になるよう壁際へ離れさせた。ただ相手は直接見ずとも攻撃できるから、意味がない。




 意味がないけれど、闇落ちさせた高梨を失うわけにはいかない。




 本人に自覚がないけど、善良だ。善良だけど犯罪は生きるためできる。誰かを進んで傷つけることが難しい人材で、命令は素直にきける。それでも命令でもやったことに罪悪感を抱いて、必死にあがく。




 こういう人材は死んだら困る。






 だから高梨が壁の影に隠れるまで開けなかった。それを確認した後扉をゆっくりと開け、飛び込んだ。踏み込んだ一歩に頭上からの殺気。急停止することなく、応接室のソファー付近へ二歩で飛び込んで到達。






 応接室のソファーには一人座っていた。




 優雅にも上品なように座った誰かは女性だ。小柄でおとなしそうな印象。眠そうな瞼の開き。年は若い。崩壊前では学生になりたてぐらいだろう。襟から膝まで生地があるチェックのシャツ。シャツから出てきた黒のソックスを履く細い両足。足首を出した黒のショートブーツ。


 背中の半ばまで伸びた髪。伸ばした先からすっぱりとした断面で切れていた。先端で統一された後ろ髪、前髪も左側を除き同様に統一。例外の左前髪は顔の半分を覆っている。だが隙間からのぞく容姿に傷などの違和感はない。






 自分で用意したのか、カップを手に取り口に運んでいた。朝によく嗅ぐ、香しい匂いが届く。鼻孔をくすぐる、一日の朝が告げたかのような感覚。欲張りなのか、もう一つほどテーブルに置かれていた。




 コーヒーの湯気が相手のカップから立っていた。




「…すごい。当たらないなんてすごい」




 感心する声が僕へ向けられた。




 コーヒーに目線を配りながら、少女が言った。人の環境にずかずかと入り込んだうえでの絶賛。相手は常識がないようだった。僕もないけどもだ。




「…話し合いしよ?」






 コーヒーを一口飲み、相手は僕のほうへ視線を向けた。小さく引きあがる頬は、関心のもの。空いた片手で場所の指定をしてきた。正面のソファーに案内する手。立ったままのほうが都合がいい。だけど僕は静かに移動。指示に従い、正面のソファーに座り込んだ。






「このビルの人間はどうしたの?」






「…皆殺した」






 僕が警戒したまま問い、相手は一切気負うことなく答えた。コーヒーに夢中なのはわかる。わかるけどもだ、その答えに対しての態度ではない。僕ですら理解が一瞬及ばずにいて、すぐ思考に復帰すると頬をひきつらせた。




 僕も同じことをするから、わかる。




 こういうことを平気でする奴は大抵いかれている。






「数十人ほどいたはずだ」




 僕が膝の上で両手を組む。両足は今すぐにでもとびかかれるよう意識だけはしていた。




「…うん、いたけど殺した」




 それが何かといった様子だ。罪悪感もなければ、敵対心もない。計算を頭でしていく。スラム住人を雇い、教育費用をかけていた。その次の月もその次もの見積もりをしていた。商人にさせたけれど、その手間が無駄になった。




 全部、無駄だ。




 計算したことも、今後の展開もだ。全部組みなおす必要が出てくる。ただ、相手の言葉が本当であればの話。全員皆殺しにしたという前提。誰一人逃さず殺すのは簡単だ。簡単だけども、この会社には人間タイプの怪人を何体か派遣している。






 易々と殺せるほど、弱くはない。




 人間タイプは化物タイプの怪人とは違う。危機感をもち、どんな環境にも適応できる能力だ。




 訝し気に睨む僕に、相手は軽く微笑えんだ。




「…嘘ついた、数人逃がした」




 あとは全員殺したと告げた。そのふてぶてしさは僕が片手を向けるほど堂々としていた。腐敗魔法を掌で生み出した。黒炎の球が形を現す瞬間だった。




 その手が弾けた。




 ザクロのような血肉がまき散らされ、掌が形を失った。飛び散った血肉がテーブルやソファーを汚した。黒基調のドレスには大量の血液と指が何本か落ちていた






 突然のものに、絶叫しかけた。激痛が神経を逆流してくる。脳が、体が予想もしていない行為に悲鳴を上げかけた。だが必死に口から出るのを抑えた。たかが片手の一つだ。必死に抑え込み、激痛の中の弱みを見せないようにした。




 だけども苦悶の表情は隠せなかった。






「…あなたの関係者だったのは知ってる、ロッテンダスト」






 ここでコーヒーから目線をそらし、苦悶の表情を浮かべる僕へと合わせた相手。その少女が弾けた片手をみても、場を汚す血肉を見ても表情に変化はない。日常の延長戦だといわんばかりだ。






「…あなたとは話し合いをしに来た。殺し合いをする気はない」






「よく言うよ」




 人の部下を殺したとのたうちまわり、片手をつぶしておいてだ。可能性として、スラムで雇用した人間は全員殺されている。きっと逃げれたのは八千代から派遣した部下たちだけだ。










「…そのテーブルのコーヒー、ロッテンダストのために淹れたの。…飲んで」






 テーブルには僕の血肉が転がっている。それが湯気を立たせるカップにも付着していた。少女が手にもつカップと同じものだ。




 僕のために用意したといいつつ、僕の血肉が確実に入り込んでいる。




 飲みたくはない。正直、自分の血肉を取り込むなどしたくない。




「っ!!」




 少しばかり躊躇っていると、別の個所からの激痛。その箇所に視線を送れば、左足がねじまがっている。急激な一撃によって、反応が遅れた。対処が遅れた。殺気は届いていたが、見えない一撃と苦痛から少し意識が逸れていた。






「…飲んで。…飲むの…飲んで!…飲むの!!」




 間の空いた言葉で穏やかだったもの。それが最後になれば命令としての強さを示した。相手はいかれている。僕もいかれているけど、相手も相当だ。




 つぶれた片手と、曲がった左足。






 たかが二つの人体が故障しただけだ。






 僕は苦痛を耐え、無事なほうの手を伸ばしカップを手に取った。無理やり上体を動かしたため、左足にも力が入る。その痛みは慣れたものだから対処できる。できる限り平然としていたつもりだった。


 でも潰れた片手がバランスを崩させた。体のバランスが上手くいかない。








 手に取ったカップには血肉が浮いている。




 それを相手が見ている。




 飲めということだ。




 僕の血肉が付着した、このコーヒーを。




 僕自身にのまそうとする、酷い性癖だ。






 カップのふちを口につけた。血肉が広がり、鉄臭さと生肉の感覚が舌を刺激する。吐き気と同時にコーヒーの香しいものが体内をかけめぐる。




 頭がぐちゃぐちゃだった。




 血肉が喉元をすぎていく。血が肉が感触を訴え続けて体の奥へ奥へと進む。むかつくことにコーヒー自体は上手く入れてあった。苦いくせに、この香りを取り込めば取り込むほど意識が正常になっていく。






「…偉い偉い。…コーヒー好きなのは調べてた…ロッテンダストに合う豆を選んだ」




 コーヒーの銘柄など詳しくはない。この香りと苦さは僕好みだった。甘くもなく酸っぱくもない。だけど渋みが少し残る感じが本当に好きだった。血肉が混じっているから最悪だけどもだ。






「目的は?」




 痛みにこらえ、屈辱に耐える。必死に平静を装いながら尋ねた僕。相手も同じようにコーヒーに集中。お互いがお互いの顔をみないで、話し合いが起きていた。






「…話を終わらせるのはもったいない」




「目的は?」



 目的こそが相手の狙い。



 相手が続けようとするのを、僕が無理やり尋ねる。たとえ生殺与奪が握られいるとしてもだ。生きる意地を相手にゆだねた記憶はない。




 意志も主張も僕だけのものだ。




「…はぁ」




 小さな溜息を吐いた後、細い瞼が大きく開いた。






 急に鋭くなった気配と共に殺気が部屋に満ちる。全部の圧をもって、僕を包み込む敵意。






「ダスカルを殺すべき」






 可愛らしい容姿とは別に、言っていることは物騒だ。




 大怪人ダスカルの殺害。




 一都三県の人間もそう、ダスカルの殺害を願っている。




 目の前の敵もダスカルの殺害を願っている。


 どいつもこいつも簡単に言ってくれるわけだ。


 大怪人の始末を他人任せにしてくる。


「断る」




 この僕だけが殺す気がない。理由は簡単。ダスカルを殺せば一年で100万人以上死ぬ。年間何万ダスカルに殺されようが、経済被害が何兆円かかろうが、殺せば未来は絶望しか残らない。




 破滅的な混乱が起きる。起きれば鵺の計画が大幅にずれてしまう。自分たちの計画のためには、居てもらわなくてはいけない。





 悪がいなければ、まとまれない。




 悪がいなければ食料も作れない。




 悪がいなければ命も残せない。




 自分たちが生きることすら悪任せ。悪が効率も自由主義も全部無視して、好き勝手する。それが結果的に一都三県を延命させていく。


 ほかにも理由があった。


 こいつが気に食わない。個人的な意趣返しってやつだろう。



「っっ!!!」






 左足がはじけ飛んだ。激痛がまた僕を襲う。人の体を簡単に壊してくれる。相手は瞼を閉じかけた。薄く開いた隙間からのぞく目。コーヒーだけをこぼさないよう、左手で正常にたてた。たてたまま、ソファーへ体を倒した。








「…体ひどいことになる」






 人の体を壊しておいてよく言う。平気で脅迫してくる相手に嫌悪感が増す。




 こんな体で大怪人を倒せるものかと吐き捨てたくなった。その言葉は激痛のため言えない。言えないが睨みつけてやった。苦痛から混じる感情の怒りを表情にして向けた。




 その視線を真っ向から受けてたつ敵。






「…ダスカルを殺すっていうなら治す」




 ザギルツは新興組織でありながら、重要な役割を果たしている。奴らの目的は人類支配であり、有性種族思想に基づいている。無能な人間は奴隷になるが、有能な人間は労働者になる。その優劣思想に基づき、動く。




 白をコンセプトとした悪。




 民族思想よりも、人種思想とは別の格差社会を築こうとしている。






 ザギルツが人類を支配すれば、巨大な格差社会と優劣社会がおきる。新自由主義とは違う、別の上下関係。庶民の下に奴隷を作る社会構造が構築されることだ。社会階級によって、人種の存続の価値を残していく。






 殺したほうが楽な部類の悪だ。だけど殺すわけにはいかない。






「そんなに殺したければ、お前がやりなよ」




 苦痛の中で嘲笑を作って煽る。どんなに痛くてもだ。この程度の痛みなどいくらでも味わった。吐き捨てて、罵倒してやる。たとえ殺されてもだ。






「どうせお前じゃ勝てないけどね!」




 体が衝撃で吹き飛んだ。ソファー事、勢いよく壁にたたきつけられた。ソファーのクッションのおかげで衝撃が緩和された。ただ、衝撃は残っている。背もたれからに押し付けられてからの床にたたきつけられた。


 体の故障はなかった。




 コーヒーだけはこぼさないように立てたまま。




 体側面から床に着地。潰れた片手と左足に負担がかかり、悲鳴を上げそうになった。




 涙目だ。痛みが視界を涙で遮っている。酷い社会もあったものだ。弱さをみせれば痛めつけられる。悪がいる社会に、その悪を殺せと願う強者もいる社会。




 そういう奴らを煽る僕。




 全員いかれてる。






 ソファーに座ったまま、見下ろす目は冷たかった。






「…ダスカルを殺して」




 冷酷なまでの無慈悲さが、この僕を見下している。コーヒーをこぼさないよう、位置を変更。背中を床に押し付ける仰向けにした。そのうえで顔だけを相手に向けた。






 涙が痛みを訴えている。隠しきれるものじゃない。自然反応だ。息も絶え絶えのボロボロ姿。過去を思い出してしまう。屈辱など味わった過去だ。




 過去と比べれば、今など全然大したことはなかった。






「君さぁ」




 息も絶え絶えの僕はどうして続けてしまうのか。






「自分が強いからって、思い通りになるとでも?強いだけなら転がっているんだ。どこにだってね」




 優秀なだけの人も沢山いる。強者なだけなものも沢山いる。そんな奴らが力をふるっても自滅するしかない。自分が進みすぎて、周りに合わせなければ上手くいかない。周囲はそれぞれ得意分野のジャンルをもっている。




 得意なジャンルでたたかえば、皆優秀だ。仕事が得意な人間からすれば、仕事が遅い人間なんて無能だ。でも他のジャンルで競えば、仕事が遅い人間が有利にたつこともある。




 戦闘が強いからって、社会生産能力には影響力を及ぼさない。




「殺すだけの無能が粋がるな」


 嫌悪のあまりに吐き捨てた。強い拒絶感をもって、僕は確固たる意志を示した。

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― 新着の感想 ―
[一言] ワガママで残酷なメスガキの調教、アリだと思います。
[一言] 自分で手を出さず要請してるてことは最上位の魔法少女か
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