瑠奈の過去
感想を2件いただきました!また、誤字の報告もしていただきました!本当にありがとうございます!
この話は瑠奈の過去についての話です。
読み返して気づいたのですが、とても倒置法が多い!
私が物心ついた時には既に兄がいた。兄はとても優しくてかっこよくて、私の憧れだった。
ある日、私が迷子になってしまった時、おにぃは汗だくになりながらも私を探しにきてくれた。その時だろう。私は兄に恋をしたのだ。
しかし、こんな私でも親族での結婚はダメだと言うことを幼い頃から薄々と感じていたのかもしれない。それからと言うもの、私はおにぃに意地悪をする様になった。
私は考えた。どうやったら嫌いになれるのか。しかし一向に答えはでず、ある一つの考えにたどり着いた。
自分が嫌いになれないなら、彼の方から嫌いになってもらおう
初めは、『おにぃの分のアイスをこそっと食べる』とか、『おにぃにお馬さんごっこをしてもらう(勿論、おにぃが馬の方)』など、ちょっとした意地悪をしていた。
しかし、おにぃは私の言うことを笑顔できいてくれた。私は更におにぃのことを好きになってしまった。
そこからさらに考えた。どうすれば嫌われるのか。そこで私は人生最大の失敗をおかした。
私はおにぃを奴隷の様に扱った。流石に寛容なおにぃもこれには嫌悪したのか、私と距離を置く様になった。
そして事件は起こった。おにぃがいなくなったのだ。両親曰く、一人暮らしをする事にしたらしい。
そして私はそのときになって初めて、自分の過ちに気づいた。おにぃのことが大好きだった私が大好きなおにぃを傷つけていた事に。
そして、おにぃがいなくなってから、私はおにぃと血が繋がっていないことを教えられ、私はショックを受けた。
私は別に兄を好きなままでよかったんだ。
そう思った時、私は決心した。おにぃに今までのことを謝ろうと。そして、願った。おにぃと仲良くなりたいと。
そこから私はおにぃのために(今思えば自分のためだったのかもしれない)料理、裁縫、掃除……。多くの事を身につけた。勿論、おにぃに会う以上、身なりにも気をつけた。
※
そして月日はは流れ、私は今おにぃの家のリビングにいる。おにぃに謝りたい、その一心で私はここにいる。
実際、おにぃに取ってはいい迷惑だろう。その通りだ。これは私のわがままだ。でも、きちんと謝りたい、今までのことを……。
※
少し時間が経ち、私は夕食を作りおにぃの帰りを待っていた。人の家の冷蔵庫を開けるには少し抵抗があったが、夕食を作る事にした。
そして、玄関のドアが開く音が聞こえた。私は嬉しさを抑えきれなかった。そして、気づけば私はおにぃの胸で泣いていた。
そして私が泣き止むとおにぃが『なんで、ここにいるのかについて』尋ねてきた。
私は「おにぃとずっと一緒にいたかったから」と答えるとおにぃは少し顔を赤くして驚いていた。
私はおにぃが赤面いた事を嬉しく感じたが、並びにある違和感に気づいた。
兄が私のことを『お前』と呼んでいたのだ。
私が昔のように名前で呼んでほしいとお願いするとおにぃは嫌そうな顔をした。
私は悲しさと、申し訳なさでいっぱいになった。そして気づけば目に涙が溜まっていた。私は卑怯な女だ。すぐに涙を流しておにぃに甘えてしまう。実際におにぃは私に擦り寄り慰めてくれた。そのことで私は更に申し訳なさと罪悪感を感じる。
早く、泣き止まないと……。
私は必死に涙を堪えようとする。しかし涙は一向に収まらない。心のどこかでおにぃに嫌われたことの悲しみを感じているからだろうか。
一向に涙が止まらない私を見て、おにぃは、私の笑顔が好きだ、と言う。その言葉には嘘偽りがなくてとても暖かいものだった。
「ずるいよ……。」
私は今、欲かった言葉をかけるおにぃをずるいと思った。こうやって私を虜にするからだ。
私は再び謝罪することを決意した。
※
私は落ち着くとおにぃに謝罪をした。おにぃは、すぐに許してくれた。私からすると嬉しいことなのだが、腑に落ちない結果となった。正直殴られてもいいと思っていたからだ。
だからこそ、おにぃの優しさ、寛大さに気づいた。私はおにぃのことを更に好きになった。
そしてそこから色々とあり、気づけば就寝の時間になっていた。私は久しぶりにおにぃと寝る事にした。
おにぃの隣は寝やすく、そこから私は朝まで起きることはなかった。
おにぃから胸を揉まれる夢を見たのは勿論言えるはずもない。
お読みいただきありがとうございました。瑠奈のことを嫌いにならないでいただけると嬉しいです(笑)。
ショートコメディーは琉輝亜の話になるまで休ませていただきます。ご了承ください。