なんでここにお前が?
初めて感想をいただきました!ありがとうございます!
これからも頑張っていきますので、ブクマ、評価、感想のほどよろしくお願いします!
俺は学校が終わるとダッシュで家に帰った。もし、友梨奈や玲奈から『一緒に帰ろう』と誘われていたら大騒ぎになるからだ。
俺はこんな妄想をしてしまっている自分に呆れる。まぁ、実際に琉輝亜の妄想が現実になろうとしていたのだが、勿論、琉輝亜は知る由もない。
「ただいま……。」
俺はいつも通り中には誰もいない2LDKの家に帰りを告げ家の中へ入ると部屋に明かりが付いているのが見えた。
あれ?朝、付けっ放しだったっけ?
俺はそんな疑問を抱えながらもリビングのドアを開ける。するとそこには思いもよらない人物がいた。
「あ、おにぃおかえり!」
「瑠奈?!な、なんでお前がここに?」
妹の瑠奈がいた。俺は驚きのあまり声が詰まる。俺は瑠奈がここにいる理由を尋ねると、瑠奈は上目遣いで俺を見て甘い声で言った。
「だっておにぃとずっと……一緒に居たかっただもん……。」
俺は後半の部分が聞こえなく、瑠奈に聞き返す。
「瑠奈?最後の方が聞こえなかったんだけど……なんか言った?」
「……もぅ!おにぃのバカー!!」
「はー?いきなりなんだよ?」
俺はいきなり瑠奈から罵られ驚きと疑問を隠せないでいた。
いきなりバカって……なんだよ……。
俺は瑠奈に何か怒らせることをしたか考えているといきなり瑠奈が泣きながら俺の胸へ飛び込んできた。
「バカバカバカ……おにぃのバカ……。なんで瑠奈を置いて行くの……。瑠奈おにぃとずっと一緒に居たかったのに……。」
俺は瑠奈の態度の変わりように驚く。
以前の瑠奈だったらそもそもここに居ないし、仮にいたとしても奴隷みたいに扱う筈だ。それが突然どうしたというんだ?
未だに状況を飲み込めていない俺は取り敢えず瑠奈を慰めることにした。
「そうか……。それは悪かったな。ごめんな」
そして少し時間が経つと、瑠奈は落ち着いたのか泣き止んでいた。
俺は瑠奈が泣き止むのを確認すると再度疑問をぶつける事にした。
「で、なんで瑠奈がここにいるんだ?」
正直なところ瑠奈にはバレたくなかった。彼女が原因で引っ越しできたのだから。
「それは……おにぃと……一緒に……。」
瑠奈は顔を少し赤くしモジモジしながら言う。
「ん?」
俺は聞き返す。
「だから!おにぃとずっと一緒に居たかったの!」
瑠奈は顔を真っ赤にし、下を向く。相当恥ずかしかったようだ。俺は妹の突然のカミングアウトに驚く。
「は?え?はーー!!お前、言ってる意味わかってんのか?」
「お前じゃない……。」
「今はそんな事……。」
「そんな事じゃない……。瑠奈、瑠奈って呼んでよ。昔みたいに。」
「昔みたいにってお前……。俺はお前が──。」
俺はここで思い止まった。瑠奈の目には涙が溜まっていたからだ。
あーあ、俺って最低だな……。確かに瑠奈が原因で引っ越しをすることにした。でも、過去を引きずって……そして今、瑠奈を2度も泣かせてしまっている。兄として失格だな。
「ごめんな、瑠奈。だから、その……泣くな。俺は瑠奈の笑顔が好きだぞ。」
俺は昔を思い返す。
俺はなんだかんだ言って、瑠奈の笑顔が好きだったのかもしれない。幼い頃の俺は瑠奈の笑顔を見たくて瑠奈に従っていたのもあるだろう。まぁ、結局、高校に入って引っ越したが。根本的には瑠奈の笑顔が好きだったのだろう。
瑠奈は俺の言葉を聞いて少し目に涙を浮かべたまま頬を少し赤くし、笑顔で言った。
「そんなの、ズルすぎるよ……、おにぃ」
俺が、その瑠奈の綺麗で可愛い笑顔に心臓がドキンと跳ねたのは秘密だ。
一息ついて、瑠奈は俺に過去のことをすべて打ち明け、謝った。正直、既に許してる部分もあったので俺は瑠奈を許すことにした。
瑠奈は殴られる覚悟で謝罪してきたらしいが、俺が瑠奈に手を出すわけがないだろう。
それから少し経ってお互い気持ちを整理すると俺は料理を作ろうとキッチンの方へ向おうとした。
「取り敢えず夕食を……ってこれって……!?」
すると瑠奈は満遍の笑みを浮かべて言う。
「瑠奈が作ったよ!」
「瑠奈が作ったって……。なんで俺の分まで?」
すると瑠奈はキョトンと首をかしげる。
「え?おにぃの分を作るのは当たり前じゃん?それに、私も今日からここに住むし、家事全般をやるのは当たり前だよ!」
「え?ちょっと待てー、頭の整理が落ち着かないから……。」
俺は瑠奈の言葉に思考が停止しかける。
「えーっとー、つまり、瑠奈は俺の分のご飯も作ってくれてて、これからは俺と一緒に住む……と?」
「そういうことだよ!」
いやー、まてまてまて、瑠奈が一緒に住む?昔なら別に気にしなかったが、俺は健全な男子だ。いや、妹をそういう目で見てる時点で健全とは言えないが……取り敢えず、同居はまずい。小悪魔系として有名な瑠奈に誘われたら理性が……。
「ちょっと流石に同居はまずいんじゃ……。」
すると瑠奈が俺をからかう(?)。
「おにぃ、もしかして私と……そ、その、エッチ……いや、イチャイチャ……いや……そう!私が可愛いからが、我慢……できない……みたいな……?」
俺は瑠奈の『可愛いか?』と言うところだけ聞き取る事に成功した。
「よく聞こえなかったが、瑠奈は普通に可愛いと思うぞ?」
あたり前だろう。瑠奈はそのルックスと小悪魔っぷりで多くの男を虜にしてきた。友梨奈と同じく、日本規模でファンクラブがあるとか無いとか……。
瑠奈の顔が真っ赤になる。
「そんな、可愛いとか……。卑怯だよ……。」
ダメだ……。正直言って可愛いすぎる。いくらなんでも日頃からこんなことされたら我慢できん!
「流石に同居はきつい……。俺の理性が持たん!」
「別に……おにぃならいいよ……。」
「ん?まぁ、よく聞こえなかったが(うっすらと聞こえた)が、取り敢えず同居はなしで……。」
俺はこれで俺の平和が保たれると安心しきっていた。この後、爆弾発言が投下されるとも知らずに。
「えーと、その事なんだけど……もう引っ越しの手続き完了しちゃった。」
「え?なんて?」
俺は自分の耳を疑う。
「だから、もう引っ越しが完了したの!」
「えーー!!マジで?」
「うん……。もしかして、おにぃは私と一緒じゃ嫌?」
俺がショックを受けているのを見て瑠奈は心配に思ったのだろう。
「いや、もちろん瑠奈のことは大好きだそ!」
俺は勢いで言ってしまったことに後々後悔するなだが、これは別のお話で。
「大好きか……。それじゃあ、これからもよろしくね!だ、大好きなお兄ちゃん!」
こうして俺は妹と同居する事になった。
※
こうして、妹の件については終了し、俺と瑠奈はそれぞれ風呂に入り、時間を確認すると既に就寝の時間になっていた。
「それじゃあ、瑠奈おやすみ。」
俺は瑠奈に一言いって布団に入る。疲れが溜まっていたのか俺はすぐに夢の中へと誘われていった。
ガサガサ、ゴソゴソ
俺は物音がし、少し目が覚める。すると背中に2つの柔らかい何かを感じた。
ん?なんだこれ?
俺は思わず手で確認する。
なんだこの柔らかいの……。
寝ぼけているせいか俺は何故かその柔らかいものを握ったり離したりする。
「…んっ……あっ……ダメ!そこは……おにぃ……。」
あれはその甘く艶やか声を聞いて意識が覚醒した。
「って、瑠奈?!あーー、ごめん!!」
俺は慌てて瑠奈の胸から手を離す。
ヤバイヤバイ……。完全に揉んでたよな……。絶対怒るよな。というか何やってんだ俺は!!
瑠奈はゆっくりと口を開く。
「おにぃ、意外とうまいね。」
何を言うかと思えば、瑠奈は変なことを言い出した。
「お前なんで、俺の布団に?」
瑠奈は寝ぼけているのかわからないが更に変なことを言い出した。
「だったて、おにぃのこと大好きだもん!おにぃと結婚するもん!」
「瑠奈?お前寝ぼけて変なこと言ってるぞ?」
「そんな事な……。」
そう言って瑠奈は再び眠り出した。それを見て俺も再び眠りにつこうとする。しかし、俺は眠りにつくことはできなかった。
その間、俺の頭の中で瑠奈の胸の感触と瑠奈のさっきの言葉が永遠と頭の中でループしていたのは言うまでもない。
琉輝亜「ヤベー、マジで柔らかかったわ……。」
瑠奈「おにぃ、なんか言った?」
琉輝亜「いいえ!何にも!」
瑠奈「そう……?ならいいけど……。血が繋がってないからってへ、変な…こと…しないでね!」
瑠奈は顔を赤く染める。
自分も恥ずかしかったようだが、これから、顔が赤くなるであろう琉輝亜をいじるためだろうか瑠奈は恥ずかしさを堪えながら言った。まぁ、そんな事にはならないのだが……。
琉輝亜「もちろん!」
俺はそんな瑠奈の思惑も知らず、あたり前だと主張する。
瑠奈「そう?ならいいけど……。おにぃなら……別に、気にしないのに……。」
俺はモジモジしてる瑠奈に聞き返す。
琉輝亜「ん?なんて?」
瑠奈は顔を真っ赤にしながら言った。
瑠奈「別になにもない!おにぃのバカー!」
完
自分で仕掛けた罠に自分で掛かる瑠奈でした。瑠奈、ドンマイ!でも、そこが可愛い!!
実は瑠奈と琉輝亜の血は繋がっていません!
※一部変更しました。
瑠奈の過去への謝罪の話を加えました。