友梨奈
少々文章のクオリティが低下しておりましたのできちんと文章の構成を考えて書こうかと思います。そのため、投稿が少し遅れることが懸念されますが寛容な心で許していただければ幸いです。また、投稿主の言い回しに不満を覚える方もおられると思いますが読者にとってなるべく満足のいく作品を手がけていこうと思いますので、広い心でこの作品を呼んでいただければ幸いです。
気づけば、SHRが終わり、放課後となっていた。俺は二人と立てた作戦を思い出し、気合を入れる。
ある意味これから起こるイベントはトラウマ克服の良い機会だろう。
俺は顔を両頬を軽く叩き、屋上への階段を上る。客観的に見れば屋上までそう長く無い距離であるが、今の俺にはそれが長く感じた。
そして、俺は屋上のドアノブに手をかける。
よし、行くか。
俺はドアノブを思いっきり開ける。気圧の変化のせいなのか、それとも誰かが屋上という名の異世界に俺を呼んでいるのかわからないが、風が俺の背中を押す。
俺は前に倒れそうになるも堪えて、そして、前を向く。
そこは昼休みに俺たちがいた屋上とは違った。まるで別世界だった。俺と目の前にいる天使だけの世界から隔離された2人だけ世界。そんな世界で俺と天使は向き合う。天使は俺を見て微笑む。これほど"天使"という言葉が似合う人はいないだろう。そう、彼女は俺が中学の時から憧れ、そして好きだった二宮 友梨奈だった。
俺はあの時以来彼女のことを考えてみたことは一度もない。だからこそ驚いているのだ。まさか、本当に彼女が屋上にいるとは思えなかったから。
「き、君がメールを送ってきたの?」
緊張のせいか、少々声が震えていたが、なんとか聞くことに成功した。
「うん、そうだよ!」
彼女はそんな俺の緊張など知らず、にっこりと微笑む。
あぁ、君はきっと気づいていないだろう。その笑顔を守ろうと、その笑顔を自分に向けてほしいと多くの人が願いその犠牲として俺と言う人間が生まれたことを。
俺は胸の奥からドス黒い感情が溢れてくる。
ダメだ。これを解放しては……。これは決して彼女のせいじゃ無い……。
俺はそれを抑えようとするも、それは勢いを増すばかりである。そしてそれは遂に溢れた。
「なに、今更ノコノコと現れてんだよ!」
二宮は困った表情を浮かべる。
それは、何も間違っていない。だってこれは俺のせいなんだから。だから彼女を傷つけることはしてはならない。
俺は自分に言い聞かせる。すると少しだが、ドス黒い物が引いていくのを感じる。しかし、彼女のその一言でそれはコントロール不可能になった。
「どうしたの?」
彼女はただ一言そう言った。
わかってる。彼女は何も悪くない。だから言ったところで意味がないだけだ。でも……。
俺にはもうこの感情を抑えることはできなかった。
「『どうしたの?』だと?ふざけるな!お前らが俺をハメたんだろ!お前はいつもそうだよ。そうやって笑顔を振りまいて……。相手な気持ちも知らずに!それで結局は離れて行って……。せっかく昔のことは気にしなくなってきたのに、なんでそこでお前がノコノコと現れるんだよ!少しは俺の気持ちも考えてくれよ……。これならまだ嘘だった方が………。」
良かった……。なんて俺には言うことはできなかった。なぜなら、俺がそうであって欲しくないと一番願っていたからだ。
あーあ、俺って最低だ。
俺は顔を伏せる。
俺は心の中にあるドス黒い感情を全て吐き出した。そこはかとなく心のつっかえが消えたようで楽になったが、俺の心は罪悪感で埋め尽くされていた。
何分経っただろうか。いや、数秒なのかもしれない。俺には1秒1秒がとても長く感じた。
そしてコツ、コツっと向かいから歩いてくる音が聞こえる。
きっと打たれるんだろう。当然だ。彼女からしたら勝手に怒って勝手に落ち込んでるだけだ。
足音は段々と大きくなり、それは俺の目の前で聞こえなくなった。
そして──俺の顔を何か柔らかいものが埋め尽くす。そして俺は彼女に頭を撫でられていた。
俺は恥ずかしさと申し訳なさで顔を上げることができなかった。
俺は気持ちの整理が終わると、顔を上げ、非礼を詫びた。
「まずは、なんも言わずに聞いてくれて、そして俺を慰めてくれてありがと。それと、ごめん。過去のことについて君は関係ないのに君に当たって……。」
すると彼女は微笑んで言う。
「いいよ……。それと私こそごめんね。あの時あなたを助けられなくて……。」
「いや、よく考えれば君は何も悪くない。君から離れて行ったのは俺だ。」
「そうだとしても……ごめんね。」
俺はこの気まずい空気を変えるついでに屋上へ呼んだ本題を聞き出すことにした。
「いきなり話変わるけど、今日俺をここに呼んだ理由って何なの?」
俺が聞くと二宮の顔がじんわりと赤く染まる。俺は取り敢えず、気まずい空気が晴れたのを感じ取り安堵する。
俺のそんな考えとは裏腹に二宮は耳を疑うような事を言い出した。
「それは……琉輝亜くん、あなたと結婚したいと思ったからです!」
二宮は耳を真っ赤にしながら勢い良く言った。
「え……?」
ちょっと待てよ?今二宮さんはなんて言ったんだ?いや、覚えてはいるんだけれど……。
「二宮さん……。」
「友梨奈!友梨奈って呼んで欲しいな。」
俺は事実確認をしようとしたが二宮に阻まれてしまう。
「そ、それは流石に……。」
「いや…なの?」
二宮は今にも泣き出しそうな表情で上目遣いで聞いてきた。
勿論俺はこの国の国宝と言われるほどの美少女である二宮に抗えるはずもない。
「わかったよ……。ゆ、友梨奈……。」
俺は恥ずかしさで顔が真っ赤になる。友梨奈も恥ずかしいのか頬が赤く染まっている。
「それで、ゆ、友梨奈。もしかしてさっき、結婚って言った?」
すると友梨奈は再び赤面した。
「何度も言わせないでよ……。私は琉輝亜くん、いや、琉輝亜のこと大好きだよ?だから結婚したいな?」
友梨奈は上目遣いで少し頬を赤くして言った。友梨奈の姿が夕日と相まって美しく映える。
友梨奈にここまで言わせたんだ。俺は答える義務があるだろう。それに俺は……。
「友梨奈!俺は──。」
俺が友梨奈に想いを伝えようとしたその時だった。
「ルッキーー!!なんで二宮さんといるんだよー!!」
拓海が玲奈を連れて走ってくる。
お前はさっきまで見てただろ……。あぁ、いいところだったのに……。それにしてもなんで拓海が現れたんだ?まぁ、後で聞くか……。
俺は心の中で拓海に対する愚痴をこぼす。拓海は俺に申し訳なさそうな顔をしてやってくる。
「琉輝亜、この方達はどなたでしょうか?」
友梨奈が俺に聞いてきた。
「あー、友梨奈には言ってなかったな。こいつは俺の親友の浅川 拓海。で、こっちの男性が友達の中山 玲奈だよ。」
「男性?」
友梨奈は玲奈を見て疑問を浮かべる。
「るきあの言ってることは本当だよ。でも、性別なんて関係ない!るきあは渡さないから!」
友梨奈は玲奈を見て誇ったように言った。
「玲奈さん、ごめんなさい。実はもう私と琉輝亜は婚約してるの。」
ん?俺そんなこと言ったっけ?
「え!るきあー!!本当なの?」
「そうですよね?琉輝亜。」
俺は2人の美少女から迫られる。正直なところ俺は迷ってしまった。友梨奈も玲奈もとても可愛いし、いい子だ。玲奈は男だけど、それだけで決めたくない。
俺が困っていると拓海が、助け舟を出してくれた。
「二人とも、ルッキーが、困ってるよ。それにお互いのことをよく知らない状況ではルッキーは、どっちか選べないと思う。なぁ、ルッキー?」
「そうだね……。」
俺はありがたくこの波に乗っかる。
二人は納得したのか身を引いた。
これでチャラにしておくか。取り敢えずサンキューな拓海。
俺は心の中で拓海に礼を言った。
こうして、この件は収まる──わけもなく、友梨奈が爆弾を投下して幕は閉じた。
「絶対、琉輝亜は渡しません!琉輝亜は私のです!」
後日談なのだが、あの時拓海が出てきたのはどうやら玲奈が耐えられなかったかららしい。
※
さっきの騒動から少し時間が経ち俺は少し黄昏ていた。
これからかどうなるのやら……。
俺はこれから先の日常が崩れて行くのを考えると不安が募るばかりであった。
しかし、この時はまだ知らなかった。これから更に日常を脅かす不安の原因が現れることに──。
神様「作者よ。ちと顔を出さんか……。」
作者「はい……。」
神様「お主、次話の投稿が遅いのではないか?」
作者 「はい……。」
神様「今日はお主のために謝罪の機会を設けたのじゃ。謝罪するのじゃ。」
作者「この度は投稿までに時間がかかりすぎてしまい申し訳ありませんでした。次話からは出来るだけ早め投稿しようと思います。」
神様「わしからも、この度は本当に申し訳ありませんでした。」
大変申し訳ありませんでした。