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姉と妹

妹であるということ

作者: 小沢琉祢

私は姉に嫌われてるのかもしれない。

昔から嫌われていた。

一時期は出会うたびに嫌な顔されて嫌な言葉をかけられていたくらいだ。

最近ではそれもなくなり、姉とは普通に話すようになった。

それでも。

やっぱり嫌われてるのだろうかと思う。

姉が何か言いたそうな顔するたびに、悲しそうな顔するたびに理由を問いたくなるけど、何もないようなふりを続けている。

今日も私が帰ってくると何か言いたそうな顔をして、無駄に長い手洗いをしていた。

姉の手が赤くなってて冬場にそんな念入りにやってたら手が痛くなっちゃうよと思ったけど何も言わなかった。

姉はいつも私が帰ってくるときに出くわすと何か言いたそうな顔をする。

何が言いたいのかわからなくて、毎回ちょっと待ってみるけど決して姉から話しかけてくることはない。

そうなのだ。

姉が私に話しかけることはないに等しい。

だから本当は話したくなくて、私がいつも部屋に呼んだり、話しかけるのは迷惑なんじゃないかとか考えてしまう。

それでも趣味は合う。

私の勧めた漫画や小説、アニメや映画を見て姉はいつも面白かったと言ってくれる。

でもそれでさえ無理をしてるのかなって思う。

私が話したり、ふざけたりするのを見て姉はいつも大げさに笑う。

笑い声がすごく大きくて、そこまで笑わなくてもと思ったりもする。

それでも姉のことを嫌いにはなれない気がする。

どんなに嫌われても。

どんなに嫌なところを知っても。

家族だから。

姉の味方は私だけな気がするから。

両親は放任主義で、私たちのことなんかどうでもよさそうだから。

それに、いつも姉は私としかほとんど話さない。

でももう少しで私はこの家から出ていく。

姉のことだけが心配だった。

でも自分からは何もできなかった。

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