第六話 魔力の暴走
なんと、ゴーレムの口先から強大な魔力が溜め込まれていったのである。
すると、そのまま下から上に巻き上げるかのように「キュィィィイン」と光線として放ったのである。
その光線の通った線には、見事に岩等が貫通していて焼けていた。
幸いにも、私の居るところとは全く別の場所で起こっていたので被害はなかった。ただの無差別で起こしたと思われる。
「なッ? あいつただのゴーレムじゃないのか!?」
私は驚愕したと同時に、どうしてゴーレムが突然魔力を解き放てたのか、理解が及んだ。
「なるほど。あの少女の強大な魔力を吸収した訳か… 完全に殺戮マシーンだな」
と言っているのも束の間、また口先に魔力を溜め込み始めたのである。
「マジか。連発して撃てるのかよ…」
そして━━二手目が放たれた。
今度は、私を狙っての攻撃だった。
「ちょっ、まッ!」
私目掛けて放たれた光線を、私は瞬時に【加速魔法】を発動させてギリギリで交わした。
「危ないって! 私を殺す気かよ。全く…」
━━とは言えど、交わしてばかりではいられない。というのも、私の魔力と体力共に徐々に減って来ているのである。何とかしてゴーレムを食い止めなければならない。
でも、近づこうにも中々近寄れないのも事実。
近づけば、彼女の胸等辺にある魔方陣から、無数の鎖が妨害して来るのだ。逆に、遠ざかると光線で狙われる。
まさに、強敵且つ難攻不落である。
「これ以上、私の力だけであいつを倒すには無理があるぞ。ん~。【歯車眼鏡】でゴーレムの魔力感知したところで━━」
と言ったところで、途中で私は言葉を止めた。そして、私は何を思ったのかゴーレムの魔力を見て、とある事に気がついた。
「あのゴーレムの魔力量、凄いとは思っていたけど、翌々見るとあの魔力量は、彼女自身のものだったのか。詰まり、彼女の魔力さえどうにか抑える事が出来れば、ゴーレムも機能停止するのかな」
現に、ゴーレムは彼女の魔力を吸収して自らの力で動いていたのである。
「魔力切れまで頑張ってみようと思ったけど、魔力が吸収され続けている以上、彼女自身も危険に晒されるし、のんびりしている場合じゃないな」
と、私の思考はある作戦を浮かばせていた。
「少し手間だが、今私に出来る事はこれくらいしかない」
と言って私は作戦を実行させたのである。
━━その後も私は、ゴーレムの光線を【加速魔法】を使い何とか交わし続けていた。
というのも、普通に交わしていたら、光線の熱に襲われるのである。
そして、ゴーレムの光線には僅かだがラグが発生している。
魔力を溜め込んだ後標的を確認して放つまでの間と、光線を放った後である。
更に、目眩ましとして【魔方陣斬り】をゴーレムの目にぶつけて標準をズラしたりし時間を稼いでいた。
その僅かな間に私は、地面に魔方陣を手掛けていた。
その僅かな間に私は、地面に魔方陣を手掛けていた。
ついに、その手掛けた魔方陣をようやく完成さてたのである。
「さぁ、終わりにさせよう」
そう言い、私が地面に手掛けた魔方陣まで、ゴーレムを誘導させた。
そして、ゴーレムは見事に私の誘導により、その手掛けた魔方陣の上まで来たのである。
ゴーレムが魔方陣の上に来た直後、私はすかさず手を合わせ詠唱した。
「我が魂、我が力を持って命じよ。肉体は力を宿し、血は精神を司り、骨で全てを包み込め。━━【魔力変遷】」
と言い、右手には【魔方陣斬り(マジックスクエアカッター)】を展開させ、私の左腕を魔方陣の前に翳し、軽く切った。
すると、切った切口から、血が滴り魔方陣に触れた。
━━その瞬間、地面に描かれていた魔方陣が光だしたのである。
突然、ゴーレムは「グゴオオオ」叫び苦しみ出した。
「そんな、私の魔力が欲しいのなら、半分持ってきやがれ…」
私は、少しフラつきながら言う。
今何をしたのかというと、私の所有していた魔力の半分を、そのゴーレムに無理矢理に受け流したのである。
本来であれば、ゴーレムは魔力を吸収し、それを養分とするのだが、魔力を無理矢理に受け流した為、突如として魔力暴走が起きたのである。
だが、問題は此処からである。ゴーレムは大量の魔力を吸収した事により暴走しているからである。
勿論、近づこうとすると、ゴーレムと接触し危険である。
でも、そんな事は言ってられない。何故なら、彼女自身もゴーレムと一体なので魔力暴走に落ちてからである。
私は、右手と足元に魔方陣を展開させた。そして蹴ると同時に【加速魔法】を発動させ、ゴーレムの胸に位置する少女目掛けて飛んだ。
すると、不幸にもゴーレムの口から魔力が溜め込まれて、そのまま私目掛けて光線を放って来たのである。
私は瞬時に、宙に魔方陣を展開させ【魔方陣の盾】を貼り、それを足で蹴りそのまま横に回避させた。
そして、器用にまた宙に【魔方陣の盾】を貼り台となり、そこに更に【加速魔法】を発動させ、そのまま足で蹴り上げ更に加速させ彼女の元へ飛んだ。
が、少女の元へは行かせまいとするのか、今度は彼女の胸等辺にある魔方陣の中から無数の鎖飛び出て来て、私に襲い掛かってきた。
私は宙に【魔方陣の盾】と【加速魔法】同時に貼り、足で蹴り飛ばし、また更に加速させた。
すると、鎖も私に追い付かず、何とかして鎖を交わしていった。
そして、ついに彼女の元へ着き、そのまま彼女を抱え突っ切っていった。
私のスピードの勢いで鎖は壊れ、ゴーレムを貫いたのである。
私は彼女を抱かえながら、今度は宙から落下していった。
すると、彼女の魔方陣の中から無数の鎖が飛び出て来て、私達を閉じ込めるかのように、鎖で覆われていった。
━━鎖の中、暗闇に私は彼女を抱かえていた。
私の額と、彼女の額をくっ付けて、魔力の流れを感知させていた。
彼女の魔力はとても強大で物凄く増大である。その為、彼女自身魔力を制御出来ていないのだと悟っていた。
だから、私は彼女の増大な魔力を制御出来るように、僅かながら魔力を私に肩替わりさせるべく術式を展開させた。
すると、彼女の胸等辺にある魔方陣が強く光だしたのである。その魔方陣は小さく縮小していき消えていった。
そして、私達を覆っていた鎖が、弾け飛び壊れていった。
どういう訳か、私達は軽く地面へと着地したのであった。
彼女から離れた事により、ゴーレムも機能停止していて、動かなくなっていた。
だが突然、彼女は息が上がったいたのである。
あの時、術式で彼女の魔力を押さえ込んだ事により、魔力を吐き出す術を無くし、彼女自身にはまだ大量の魔力が残っていたのである。
「なッ! おい、大丈夫か! しっかりしろ!」
私が叫ぶも、彼女は苦しそうにしている。このままでは、彼女自身が危ない。
「くッ! この子の魔力を直接、私に移させるしかない…」
が、私は躊躇う。しかし、そんな悠長な事をしている場合ではなかった。私は咄嗟の判断で、行動に移した。
「━━ッ…。」
それは、何とも言えない光景が広がっていた。
柔らかな感触と感触が触れ合わさっている。
私は、躊躇いと恥じらいがまとわりついてどうにかなりそうだったが、今はそんな事を思っている場合ではない。
彼女の体内に溜まった魔力を、私に流し移さなければならないのである。
それにしても、彼女の唇は乾いていた。抱きついて気づいた事に身体も弱々しく感じた。
もう数日もの間、此処で監禁され色んな苦しみをして来たのだろうと、私の身勝手な妄想が広がった。
「━━んん。(にしても、この魔力重たいな… よくこんな重い魔力を一人で抱え込んでたな)」
そうしている間にも次第に、彼女は落ち着いて来た。
そして、私は顔を離した。
「ふぅ… 忘れよう。さっきした事は忘れよう」
と心にそう決め付けたのである。
━━しかし、一息付く間もなく突然、強く揺れだしたのである。
どうやら、この洞穴で激しく戦闘をしたせいで、この洞穴事態モロくなり、崩れ始めようとしていた。
「ヤバい、ヤバい! 早くさっきのフロアに戻らないと…」
と言い、彼女を抱えた。
魔力はある程度彼女から貰ったので、魔力不足の心配はいらなかった。なので【加速魔法】を発動させ、フロアまで一気に掛け抜けた。
そして、私は何とかフロアまで戻る事が出来たのである。
「そう言えば、小物の魔物の姿が見えないな… まぁ居ないなら別にいいか。さてと、こいつ等の処理もしないとな」
先ずは、その場に落ちた短剣と、オークに突き刺さった短剣を回収した。
そして、フロア内に倒した魔物等を、私の影に飲み込ませた。次にそこ倒れ込んでたり、怯えてたりしている人等を一人一人周り【治癒回復】と【精神回復】を使い助けてやった。
「よし! これでラストかな」
そう言って最後の一人を回復させた。
「はぁ… やーっと終わったぁ。もう連続で立て続けに、色んな事起こるのは辞めて欲しいよな。てか、何で此処の人等助けてるんだろう。まぁ、何でもいいや。さてと━━」
と、一息入れ、思いっきり背伸びをした後、一歩踏み出した途端、私の身体は急に力を無くし、その場で倒れた。
(あ、あれ? おかしいな。身体が動かないぞ… あ、ヤバい。意識が朦朧と……)
そして、私は気を失った。
此処で私が語るのは初ですね。
どうも、落としネコと申します。
今回の作品も読んで下さりありがとうございました。
是非、気楽に感想や評価等を付けて頂けたら嬉しいです。
次回で、この洞窟編の話も終わりかと思いますが、引き続きこの後の編も楽しみにして下されば幸いです。




