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セブンスタート  作者: 落としネコ
第一星 コラシピオン
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第十九話 廃墟と化した教会

━━そして、私とクランはエルボルの街を出て暫く歩いていると、恐らく興味本位だったのだろう。町外れの一角に建ち聳える教会へと足を運んでいた。というのも、此処では噂が絶えない場所でもあり、余り人も近寄らない所だっだ。この教会も色んな箇所が錆びれていて、今では誰も使われていない、廃墟と化していた。


そんな中、偶々道を沿って歩いていた私達は、廃墟と化した教会を見つけたのである。その教会の隣には墓地だろうか、至るところにお墓らしきものが建てられていた。


何故だろう。このお墓回りでは、嫌な瘴気が漂っていた。私は、この瘴気が何なのか気になり、墓地に足を進めていった。


すると突如、お墓の地面が膨らみ、そこから手が出てきたのである。そして、身体を捩らせ地面から姿を現した。

腐敗した肉に僅かながら骨が剥き出しになった、明らかにゾンビと思われるものだった。


(━━ああ。 これまた面倒くさい奴だ)


そう此処に足を運んだ事を後悔していた。と、そんな事を思っているのも束の間。あちらこちらに、地面からそのゾンビ達が湧き出たのである。


よく見ると、そのゾンビ達の額には、魔方陣らしきものが浮かび上がっていた。この魔方陣は何処かで見たような形だった。それを何だったのか思い返した。すると、何かを思い出したように声に出した。


「あっ、わかった! あの洞穴で見た人形と同じ魔方陣だ」


私は、思い出せて一安心と言った様子で満足していた。そんな私を横目にクランは、何を言っているんだという目でこちらを見ていた。


と悠長な事は、言っていられる雰囲気ではなく、突然そのゾンビ達は、私達に向かって襲いかかってきたのである。私は、そんな襲って来るゾンビに対し【魔方陣斬り(マジックスクエアカッター)】をお見舞いしてやった。


━━がしかし、明らかに数が多くて、交戦しても倒しても次から次へと湧き出るのでキリがなかった。

このままでは、数に押されこっちのスタミナ先に切れてしまう。何か戦略を打開できる方法を考え始めた。だが、敵もそう易々と考えさせてくれる時間は与えてくれなかった。


なんと、急に攻撃を変えてきたのである。その前は、手で切り裂こうとしたり、噛み付いてこようとして、一定の攻撃しかしてこなかったゾンビ達が連携を取り始めたのだ。明らかにさっきまでの動きとは異なっていた。


「な、何だ? こいつ等、ただのゾンビじゃないのか?」


流石の私もこれには驚き、つい声に出して言ってしまっていた。一先ず、私はクランを抱き抱え、上に連なせながら【魔方陣の盾(マジックスクエアガード)】を展開させた。そして、そのまま魔方陣に飛び乗り、頭上へと一時撤退させた。


流石のゾンビ達も、頭上では為す術もなく、これでは攻撃出来なかった。これで暫くは、戦闘を回避出来た。でも、この技も長くは持たないので、それまでに何か打開策を考えなければならなかった。


(まぁ既に案は出てあるが、やっぱ気になるのはあの額にある魔方陣だよな。 もしさっきの行動が、意図的なものだとしたら、この辺にそれを操っている奴が居るのか)


そう考えると、私は辺りを見渡した。けど、流石にそんな簡単には見つかるはずもなかった。


(肉眼で見つけられないなら、魔力を感知するまでだ)


と私は【歯車眼鏡(ギアスコープ)】を発動させ、周囲を見渡した。すると、一瞬だが、人であるものを見つけたのである。そこは、教会の中だった。


「あそこか」と口挟んで、私はクランに作戦を伝えた。そして、私は宙に別の魔方陣を展開させた。すると、その中からシザーズ=エッジを取り出したのである。


準備が出来たところで、クランに合図した。すると、合図と共に私達は魔方陣からそれぞれ飛び降りる。そして、私はゾンビ目掛けて全体に【閃光魔法(フラッシュマジック)】を発動させた。それは、一瞬にしてその回りが眩しく光出した。すると、その光に浴びたゾンビ達は、チリチリと灰になっていった。


あれだけの数のゾンビ達を一瞬にして倒したのである。それから、私はその場に着地した。


(やっぱり、こういうのは光に弱いんだな。 今回は偶々、光だけで倒せたけど…)


と思いながらも、私は教会の方を見た。

そして、クランは教会の方に向かって飛んで行ったのである。そこからだと、距離があるため飛ぶ際に、事前にクランの足元に【加速魔法(アクセルマジック)】を仕掛けていたのだ。


流石に光で遮られて、まさかクランがもの凄い勢いで教会に居た人物に目掛けて飛んで来るとは思ってもいないだろう。

それから、クランは教会の窓に居る人影を確認すると、両腕を人物に伸ばし鎖でその人物目掛けて切り裂いたのである。


本来、鎖では切り裂く事の出来ないはずなのにも関わらず、その人物を切り裂いたのだ。実はその鎖の先端には、私が先ほど出したシザーズ=エッジが左右にカストルとポルックスの(ハンドル)に巻かれていた。


そして、クランはそのまま窓から教会の中へと入っていった。それから、私も教会の中へと向かった。

すると、教会の中ではクランがその人物にトドメを刺していたところだった。シザーズ=エッジを巻いた鎖をその人物の胸ぐら目掛けて刺されている。

私は、その光景を見るなりし、やっと終わったかと安堵な表情を浮かべた。


━━が、私の表情は一変し曇り始めた。そして、私は言葉を失った。そこにあったのは、あの洞穴にもいたあの人形だったのである。

クランもまたパッとしない様子浮かべていた。それから、クランは突き刺した短剣を抜き取ると、そのまま私に返してくれた。


「いや、まだ使うかも知れないからまだ持っていてくれ」


そう言うと、クランは「わかった」と返した。私は、一先ず「ふぅ」と呼吸を整えた後、こう呟いた。


「━━取り敢えず、この教会の中一通り見て回るか」


そして、私とクランは一緒に教会の中を探索し始めた。が、一通り回ったが、特にこれといった様子で何もなかったのだ。


(おかしいな。 あれだけの数のゾンビに、あの時と同じ人形。 明らかに、何かある気がしたんだがな)


と、私は手詰まりだった。と私が手詰まっていた中、クランは突然、祭壇の後ろで何やらしていた。鎖で巻かれて短剣で床をコンコンつつき始めたのである。すると、別の場所でも同じく床をつついた。

すると、明らかに床に響く音が違ったのである。クランは何かを確信したのか、祭壇の短剣で指指し代わりにし私に教えてくれた。


「此処に何かある」


そして、私は祭壇の後ろに行き、床を確かめた。でも、床事態には何の変哲もなかった。それから、私は祭壇辺りを見渡した。そして、祭壇の奥の方にスイッチらしきレバーを見つけたのだ。

私は、何の躊躇いもなくそれを引いた。すると、その祭壇の床が開き、階段が現れたのである。


━━私とクランはそのまま、階段を下り降りた。そこには、真っ直ぐに伸びた、トンネルのようだった。私の頭の中では、洞穴の事を思い返していた。一先ず、私達は道なりに沿って前へ進んで行った。


次第に奥の方から大きなフロアが見えてきた。よく見ると床には大きい魔方陣が描かれている。


そして、私がそのフロアに差し掛かった時、突如私は後ろに居たクランを右手で押し倒したのである。その直後、同時に私は【魔方陣の盾(マジックスクエアガード)】を左手で展開させる。


よく見ると、そこには大きなハンマーが私の魔方陣とぶつかり合っていたのである。そして、大きなハンマーを持って居る人物を見ようとした時、こう放ってきた。


「【死の刻印(デススタンプ)】!!」


すると、掛け声と共に、そのハンマーから黒く電流みたいなものが走り、魔方陣が浮かび上がってきた。しかも、本来であれば中を通さないはずの盾に魔方陣が表れた次の瞬間、私の貼った魔方陣が砕け散ったのである。

その砕け散った反動で私の体勢は崩れ、そのまま勢いでハンマーが私の身体目掛けてぶつかり、ぶつかった衝撃でメキメキと音を響かせながら、吹き飛ばされた。

そして、私は壁に勢いよくぶつかる。その衝撃で私は「カハッ」と口から血を出したのである。


壁は、勢いが凄かったのか、軋んで罅が入っていた。私はその壁から力無くして倒れ込んだ。

その状況をようやく理解した様子で、私の元へ走り、クランは震えながら言う。


「い、いや… マスター マスター! 」


すると、このフロアに奇妙にも笑い声が響き渡る後、その人物はこう言った。


「キヒヒ。 キヒヒヒ。 キィハハハハハハ━━あれぇ? もう終わりなのぉ? ねぇ、もっと私を楽しませてよぉ?」

500PV達成という事で、明日は活動報告をしたいと思います。ボソ(まだ後10足りてないけど、毎週10以上はいっているので恐らく、いけるであろうと

なので、明日の投稿はないです。また明後日に投稿する予定です。

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