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セブンスタート  作者: 落としネコ
第一星 コラシピオン
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第十一話 再開

「━━クラン黙ってたのは悪かったから、機嫌直してくれ」


クランは私の話を聞く耳持たず、プイッとそっぽを向かれていた。明らかに、さっきよりも事態が悪化していた。


「ちょっと、クランも見てないで一緒に、これ運ぶの手伝ってくれないか?」


私は、衣類等が入った木の箱を、頑張って押して運んでいた。クランは黙ったままそこに立ち尽くしている。


(はぁ。 この小さな身体も不便だな。 この箱一つも運べないとは…)


そう思いながらも、私は懸命に押し続けていた。ようやく、長い道に出た。すると、火の付いたたいまつが奥まで点々と置かれていた。

それでも、今のこの現状は変わらないので、このままだと何時間もかかってしまう。


(てか、そもそも何で私はこんな世界に飛ばされ、少女になって、今箱を押してるんだろう)


と改めて開き直りつついた。当初の目的と全く関係ない事をして何とも言えない感じであった。

すると、それを見かねたクランが痺れを切らしたのか、呆れた様子で、手から魔方陣を出現させその中から鎖を出して、木の箱を意図も容易く「ひょい」といった感じ持ち上げたのである。

私は、突然の出来事に驚いていた。


「あ、ありがとう」


私は口が滑ったのか、つい反射的に感謝したのである。クランは、相変わらず「プイッ」といった様子で顔を横に振った。

何故だろうか、何処かクランが嬉しそうな表情を見せたような気がした。

それから、私とクランは大きなフロアまで向かって歩きだしたのである。


「それにしても凄いな。私は押してやっと動かせていたのに、意図も簡単に持ち上げて運ぶとはな」


私は楽になったお陰でなのか、少し口も軽くなってしまっていた。クランは、無表情ではあったが眉を少しピクらせた。どうやら嬉しそうにみえた。


━━そして、ようやく大きなのフロアの前までとやって来た。私は、そこにある大きな扉を押し開けた。

そしてフロアの中に入った途端、私達を待ち構えていたかのように、武器が一斉に私達に向けられのである。


「おうッ!」


私は思わず驚いた表情で手を前に上げた。クランは私の後ろで、その光景を見ていた。


「盛大な歓迎だな」


と私は、呆れた様子で言う。すると、ようやく私だという事に気が付いたのか、結構回りは慌てた様子をみせていた。


「た、大変失礼いたしました! 何分、魔物も活発化しているので私達も、用心していたのです」

「そうだったのか」

「まさか、マスターが戻って来るとは思いませんでしたよ」


回りの人達は、驚きと嬉しさに喜んでいた。気づけば、此処でもマスターと評価されていたようである。いや、此処が発生源でクランにまでそう言われたのかなと思った。


「そうだ、あの後私が居なくなってからはどうだった?」

「それはもう、悲しみましたよ。私達を置いて行かれるなんて裏切りまで考えてましたが、置き手紙のお陰でマスターの忠告通り規律を守っております」


私が此処を去る間際に、置き手紙を書いていたのである。

そう言えば、さっきからクランは私の後ろに隠れていた。私は気になりクランに話しかけた。


「クラン、どうしたんだ?」


クランは顔を隠していた。どうやら少し怯えた様子でもあった。私は、何故クランは私の後ろで隠れてるのか考えたが、その答えは直ぐ見つかり何となくだが、理解した。


「そう言えば、クランも一緒に着いて行く事になってしまったけど、その点問題なかったか?」


私は、その人達に質問し聞いてみた。すると、納得いく回答が返された。


「それはもう心配はしましたよ。 まだ幼いので、大丈夫かなと。 でもマスターと一緒ならきっと問題ないかと思いました」

「そうか、それはよかった」


私はそれを聞いて一安心し、クランの頭を撫でてやった。すると、クランは頬を赤く染めた気がした。

そして、クランは話し出した。


「これ、よかったら皆で着て。 マスターが皆の為に買ってくれた」


そう言い、クランは木の箱を前に持って来させた。すると、回りの人達は群がり、衣類を手に取り見つめてる人も居た。

そして、私は少し疑問に思った事があったので話しかけた。


「そう言えば、全員居ないみたいだけど、他の人達はどうしたんだ?」

「今は狩りに出掛けて居るんですよ。 この洞窟だけで小物の魔物だけを狩って食料調達するのにも厳しかったので、範囲を外まで拡大しました」

「そうだったのか、じゃその人達にも会って行くか。 何処等辺にいるんだ?」

「洞窟の外を抜け、そのまま左に曲がると直ぐ近くに湖があるので、そこ付近かと思われます」

「そうか、わかった。 じゃ今からそこに向かうかな」

「もう言ってしまわれるんですか?」

「まぁ、私も色々忙しいからな。 今日はこれ届けに来ただけだしな」


と言い、私とクランは出ていった。


「ほんと、マスターは急に現れては直ぐ居なくなる、まるで嵐みたいな方ですね… ありがとうございました」


嬉しさと、若干悲しさが混じっていた様子で語り、頭を下げて私達を見送っていた。


━━私は途中で歩くのが面倒くさくなって、マジックボードでクランを乗せながら、その湖へと向かっていた。

すると、本当に近くに湖があり、よく見ると数名何人か水浴びをしているようであった。

マジックボードから降り私は、何も構う事もなく、そのまま足を進めて会いに行く。

そしたら、なんと敵かと思ったのか、一斉に武器を手に取り私へと向けたのである。


「おうッ!」


私は思わず驚いた表情で手を前に上げた。てか、さっきも同じやり方をされて、少しデジャヴを感じていた。


「盛大な歓迎だな」


ようやく、私だと気づいたのか、矢張此処でも慌ててた。身体を埋めて、何やら忠誠を誓うみたいになっていた。


「お帰りなさい。 マスター」

「お、おう。 でも、服着てからそうしてくれ」


何と皆、全裸のまま頭を下げていたのである。たしかに端からみると、何とも言えない光景だった。


「そんな事はお構い無しに、旅路は終わられたのですか?」

「あ、いや、まだ終わってないけど偶々色々あって、衣類を沢山貰ったんだけど、一人じゃ有り余るものだったから、是非使って欲しくてな」

「そんな、私達の為に… 何から何までありがとうございます」

「あ、ああ。気に入ってくれたら嬉しいな。 今は洞窟にあるから、帰ったら是非着てやってくれ」

「わかりました」

「それじゃ、私達はこれで用もすんだし戻るよ。またな」


そう言い、私は転移魔法を使って、エリの店まで戻ったのである。

━━そこには、なんとエリが待ってくれていた。どうやら、衣服が出来たようで、私立ちが戻って来るのを待ってくれていたようだ。


「どうだった? 皆には、会えた?」

「ああ。お陰さまで皆元気だったよ。 衣類も皆喜んでくれてた」

「そっか、それは何よりでよかったわ。 後、衣服出来たわよ」


とエリは言い、私とクランの衣服を見せてくれた。

(使える)魔法


聖なる妖精(ホーリーフェアリー)

小さな光の魂を出現させ、回りを漂わせる。言わばライトの役割をする。


治癒回復(キュアリカバリー)

怪我や擦り傷等といったものを回復させる。


精神回復(スピリットリカバリー)

精神が不安定な時に和らげる作用がある。


歯車眼鏡(ギアスコープ)

遠いものを拡大させ見たり、魔力の流れ等が読み取れる。


加速魔法(アクセルマジック)

足で地面等を蹴る際に、その瞬発力を上げる。

速度が上がる。

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