〜透明な翼と自信〜
想いを伝える前に消えてしまうのは残酷で切ない恋の味がします。
その女の子は強くて元気で負けず嫌いで
僕の初恋の女の子だった
まるで背中に見えない大きな翼が生えていて
今にでも飛んで行ってしまいそうだった
いつも笑顔で僕をからかって
そういう子だった
僕は君と話すだけでドキドキしてたのに
中学に上がった時
地元の公立中学に君はいない
私立中学に行ったという
きっと君はそこでも輝いているんだろう
それは酷く自分勝手な想像だった
恋は盲目
そんな言葉に踊らされていたのか
はたまたそんな僕が君を苦しめたのか
僕の想いで君の想いが見えなかったんだ
誰の目にも見えない
美しい翼を広げて遠いどこかへ
君は旅立ってしまおうとしたのだ
彼女はそこに辿り着けなかった
真っ逆さまに落ちて
翼があるのに
飛べきれない君に気付けなかった
そんな翼と自信なら無い方が良かったのに
今でも思い出す
僕の盲目さが君を苦しめたのこと
中学になってもそれはメールのやり取りで続いたこと
こんな夏の眩しい空に君は一人
空を舞ったこと
忘れやしない
君の笑顔も声も
それでも消えない僕の恋も
不器用過ぎた想いの伝え方も
全部全部伝えたい
僕はまだ君に好きって言えてない
青い空、陽射しの向こうで君が笑ってる
眩しくて目が眩んだ
夏は、この眩しい季節は、君の季節だ