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宇宙蟹工船  作者: 豊洲 太郎
21/21

  20 計算兵

 船は、もうない。

 (BoCaw)加速しながら無限の如くフォールしている。メタポライザとの接続感も無い、訓練には無かった状況だ。ブラックホールに捕捉されたのか、偶発的に重力と時間に侵襲されている。

 不思議な事に、金色の瞳も、うしろあしも、希薄になっていて、もはや身体の気配もない。

 質量の無いものに重力は及ばない。

 果たして、主観から時空を演繹しているこの白い悪夢は知覚といえるのだろうか。


 ディミトリ!

 教えて欲しい、本当のことを。何故、僕は今、忽然と輝く巨大な月を見ているのか?


 「トム少佐殿、貴方の試練はまだ続いております。ハリウッドのレッドメンバーズが撮影した宇宙の映像をご覧になっているのです。」

 ディミトリ!約束が違うじゃないか。

 「視覚から図形情報をインプットして何かひらめいたらボタンを押す、個々の計算兵はゲームや株のトレーディングをやっているようなものだ。」と君はいった。兵を指揮するために大統領から任命された僕が味わうこの苦痛にどのような意味があるのだ。


 「少佐殿、地上の苦しみに勝る苦痛はありません。大統領も当然ご承知ですが意味のない苦痛もありません。苦痛の本質は不確かなまぼろしなのです。」

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