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宇宙蟹工船  作者: 豊洲 太郎
16/21

  15 雑猿人以外の生物は環境にやさしい

 だめだ、だめだ。

 こんどはハラが痛くなってきた…

 宇宙蟹にあたったっす。

 あぁ、いくら息を吸っても苦しい。頭の中に白いもやがかかって何も考えられないっす。最期は皆こうなのか。

 と、その時、船内放送用のガリウム合金スピーカーに通電音がした。


 「(ガガッ)…ィ、ック! ざっ、雑猿人諸君、漁労指揮室のエボラだ。気づいた者もあろうが、区域により空気中の酸素を節約してるだ。先月の収支はマイナス、この状況で経費節減は企業として当然の施策だべ。当面、区画毎の差益率により酸素を配分するが案ずることはねぇだ。船内コンビニで高濃縮酸素缶(カニ風味)を販売中だ。諸君の健康管理と船の利益貢献に留意すべし、ハァーッ、死にたいヤツはどうぞ、以上だ。(ピー)」


 シャーッ、そ、そんな。「雑猿人」ってなんだよ。


 「(ガガッ)…ヒ、ィック! た、大切な事を言い忘れただ。雑猿人諸君、一回に使うトイレットペーパーは5cm以内だ。雑猿人以外の生物は環境にやさしい、見習い給え。ゥップ、では今月の標語、繰り返すだ。『トイレットペーパーは5cm以内!』。わかったな、ハァーッ、拭かないヤツはどうぞ、以上だ。(ピー)」


 ハラ痛いっす…

 わかりましたよ、「トイレットペーパーは5cm以内!」。

 やっぱ、カネ儲けの知恵ってはんぱねぇっす。ため息つく酸素すらないっす。

 ビッグバンから150億年、宇宙生物界はカネ・カンブリア紀を迎えて、種を超えたカネ儲け競争に突入した。きょうも宇宙蟹工船は最大利益を求めて暗黒宇宙を旅する…


 宇宙はプランク時代の余熱をもってしてもマイナス270℃なんっす。

 今日も宇宙は晴れあがり光は直進できます。

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