11 シックスナイン
まる一日、なんの成果も無かった。
少々明るいが、バッファロークラブでビールをやっている。明るいうちは酒をやらないのが俺の取り得だけど、飲まなきゃやってられない。
駅前にもベンジャミン広場にも「超々ティシュ配り」なんていなかった。ここはシブヤじゃないよ、連邦政府の狙いはなんだ? まぁなんでもいいや。ヒィック。
おや、見慣れない奴らが入ってきた。ヒィック。(以降「ヒィック」は省略)
一人は東洋人だ、もし日本人なら「超々ティシュ配り」のことが聞き出せるかも知れない、もう一人は黒人だった。
「カモーン兄弟、こっちでアニメトークでも、どうだい?」
どうやら聞こえたようだ。
なんともはや、二人ともしっかりと帽子を被り、コートを着込んだまま、この伝統あるバッファロークラブのカウンターに座りやがった!
帽子を被ったままメシ喰ってもいいのは「さ○なクン」だけだ。コートぐらい脱げよ、礼儀知らずな奴らめ!ウ、ィック!
花粉が飛び散るだろうが、バッカも~ん。
(フィーーーック、ショーーン!)
春は、嫌いだ…
「グッ、イーブニン、サー。ティシュをどうぞ…」
と、黒人がティシュを差し出した。
ハッ、けさの青年だ!
み、、ぃ、づけた!、、俺は鼻水には構わず銃を抜いた。
パン!!!
あれ?
何かチャラチャラしたものが俺の内側に触れた…。
「ティシュをどうぞ。」と黒人が白い歯を見せながら笑った。
…
「受け取って下さってありがとうございます。棺にはもっと沢山のティシュを詰めておきますよ、サー。」
グッ、ジョブ…超々ティシュ配りボット。配布率99.9999%、「シックスナイン」。