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宇宙蟹工船  作者: 豊洲 太郎
11/21

  10 朝のインクの臭いは格別だ。

 ホテルの廊下、すれちがいに見知らぬ黒人青年が、

 「グッ、モーニィン、サー」

 と笑顔で挨拶をしてきた。

 こ、これは、実によろしい。グッ、モーニング…。「サー」になっちまった中年男にはとても清々しい。

 街はずれの安ホテルにしてかえってグッであった。ゆうべは飲んだくれてビリヤードをしていた、そのラウンジで朝食、気軽でグッ。

 合成蟹身のサラダが実にグッ。いつかは本物のズワイ・クラブやシャンハイ・クラブも喰ってみたい。そうだ、ネットで蟹の缶詰を注文しようじゃないか、このアイデア、グッ。

 食後のコーヒーもグッ。(以降「グッ」は省略)紙の朝刊を読みながらラッキィストライクをふかす、これが古風な俺の朝のスタイルだ。


 「朝のインクの臭いは格別だ。」


 んっ、なんだ、この写真は「謎の宇宙戦艦発進?」、いまどきは宇宙空母だろ、まぁなんでもいいや。

 誰かがエントランスの自動扉を通り抜けると、そよ風と共に花びらが舞い込んできた。

 (フィーーーック、ショーーン!)

 春は、嫌いだ…。

 タクシーは呼ばない、歩いていこう。

 ローガンスクエアのカエル噴水でも見ながらね。ヒトとイヌとの共通点は、天気の良い日は散歩をしないと肥満やストレスで病んでしまうところだ。

 さて、今日のやっかいなお仕事はゴミ出し(廃棄処理)だ。

 シブヤではスリーナインの妨害にあった、こんどのターゲットはそのボットの最新型だ。連邦政府の狙いはなんだ? まぁなんでもいいや。

 終わったらバッファロークラブでビールをやろう。

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