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宇宙蟹工船  作者: 豊洲 太郎
10/21

   9 リフトオフ

 シブヤン山脈の稜線を巨神の大剣が貫き、その一端から青白い炎がのびている。

 斜面にうねが走ると大崩落の轟音がして神剣が土煙から浮上した。

 そびえる艦橋と回転砲塔、艦首に菊の紋を備えた雄姿は建造時のままである。

 同型の1番艦は大マゼラン銀河へのジャンプで有名だが、この2番艦は幾千銀河に通ずるPWHパナマ・ワーム・ホールを航行可能な宇宙戦艦になる計画であった。しかし「第2次ワシントン海軍軍縮条約」によって改造は放棄された。

 「彼ら」は法と民主主義のもとに経済戦争を仕掛けてきた。

 やがて「助言」と「支援」という名の統治に着手した。いっそ武力で滅ぼされたほうがマシだったことに、早く気付くべきであった。

 人類の「最後の審判」はまさかの民事訴訟になる。

 かんは民間に売却されてふねとなり「ワーム・ホール・デブリの除去」という名目で認可されると、軍艦でも輸送船でもない「工船」が就航した。

 いま、人類破綻の前ぶれが第三惑星を旅立つ。

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