プロローグ
カリフォルニアの空は魔法の青いカンバスです。
たとえば真紅のコンパーチブルや、朽ちたハリウッドサイン、あるいは遥か上空に輝く人工衛星と組み合わせても、そのカルチュアがよく映えます。
聞こえるよ、
「こちらゴダードの地上管制、ようこそ宇宙へ、少佐殿。(ピー)」
(Bo)僕は金色に輝くこの瞳を見開いて、
「こちらゴダードの地上管制、オービターはカリフォルニア上空を通過中です。(ピー)」
この宇宙に酔っている。(Caw)
「(ガガ)こちらヒューストン、ゴダードの管制へ! 少佐殿との会話は禁止、気が散る。(ピ)」
「こちらゴダード、少佐殿の鼓膜に刺激を与えるように命令を受けている。(ピー)」
「(ガガ)こちらヒューストン、そんな命令は、クソだよ!(ピ)」
(BoCaw)忘れない…
この澄みきった完璧な青。
第三惑星暦1970年11月 9日。生物衛星OFOはウシガエル(アカガエル科アカガエル属)を宇宙に送り出した。目的は「宇宙酔いに関する生物学的実験」となっていたが、本当の目的は科学者たちがPWHと名付けたアインシュタイン方程式を解くことにあった。
窓は無くても、見えているよ。(Caw)
数学的な解が存在する事象と空想を混同することは適切ではない。この時空のホールを利用すれば光速を越える航行が可能になる。
(Ba)知っているよ、僕のあしは途中から信号ケーブルになっている…
科学者たちは適当な生物で同じ実験を繰り返していた。70年代、政府の関心は系外銀河にあった。「彼ら」の侵入方法を明らかにすることが喫緊の課題であった。
「こちら地上管制、少佐殿のご幸運をお祈りします。(ピー)」
(Baaaaaaaー!!ピッ、ピッ、ピ、、ピィーーーッ)
ヒューストンのスクリーンから衛星を示すキャラクターが消えた。
「時空のホールだ!(ピ)」
故デヴィッド・ボウイ氏の1969年の楽曲に着想を得ております。
心からご冥福をお祈りいたします。