第7話‐テンプレといえば採取依頼?街中での雑用?どっちだろう
一人称に変えました。
さて、腹もいっぱいになったことだし依頼選びに出発しようぞ。
なんてテンション高くしてみても少し無理があるか。
程無くしてギルドについた。
依頼の受け方は昨日教わったので問題はない。
依頼は三つまで一度に選べて、常設依頼以外は依頼表をはがして受付にGO!
常設依頼はその依頼をつたえればOKである。
簡単だね!
ランクごとに掲示板が違うというわけではないが張ってある依頼は一応順番にランクごと並べられている。
なので最低ランクである私は低ランクの依頼が貼ってある部分を見る。
常設依頼にはテンプレなゴブリンの討伐やウルフの討伐、や薬草の採取依頼があった。
生き物、それもおそらくはヒト型であろうゴブリンを殺す勇気は今のところ私にはない。
もちろん必要に迫られれば別だけれど。
まだちょっと無理だ。抵抗がある。しかも討伐証明部位が右耳。切り取れと??
無理ですね!
料理でお肉切るのとは確実に別物でしょう?狼が牙なのも正直素手では触れたくないです。
不衛生な気がする。手すりやつり革も触りたくなかった軽度の潔癖症な私にこの世界って割とムリゲー?
いやでもまあ、殺すのは少しずつ獣型から慣れていきたい。
食肉になるような生き物からができたら望ましい。
まあ、どこまで戦えるのかわからないのだけれど。
精霊魔法とか時空魔法とかスキルにあったし練習して問題なく使えるのは知っているけれど油断は禁物だと思う。慣れないことを咄嗟に行うことはまあ無理だ。習慣化しないと日本で培われた価値観が邪魔をする。
だからここは無難に薬草の採取が良い。
でも、薬草の名前がわかってもどんな形で採取にあたっての注意点が何かなど知らないことが多い。
受付のお姉さんに聞けばいいのかな?
とりあえず受付へと行く。
まだそこまで冒険者は多くなく、すぐに順番が来た。
ちなみに受付嬢は昨日の人だ。
「おはようございます。」
「はい、おはようございます。昨日の方、ナツキ様ですね。依頼を受けられるのですか?」
名前をちゃんと覚えてる..すごい。
いや、まあローブ姿の怪しい人間なんて覚えて当然かもしれないけど。
「はい、常設依頼の薬草の採取を受けたいと思っているのですが…薬草の見本を見せてもらうことは可能ですか?あと、採取時の注意点も教えてもらえたらありがたいです。」
「図鑑の絵でよろしければお見せすることができます。常設依頼の薬草は名前を採取は五本で一束の受付となっています。一束銅貨5枚ですが状態によっては下がりますのでご注意ください。また、根っこごと引き抜くのではなく根元で切るようにお願いします。でないと、生えてこなくなってしまいますので。」
「はい、わかりました。根っこがあればまた生えてくるんですね。」
お姉さんはカウンターの下から分厚い本を取り出した。
どさっという音とともに台の上におかれた本。躊躇なくあるページを開く。
「これが傷薬の元となる薬草、ヒルヒル草です。似た毒草でヒリヒリ草というものがあるので注意してくださいね。見分け方は葉の裏側の葉脈に白い線が入っています。ヒリヒリ草も毒消しの材料になりますので取ってきても無駄にはなりませんよ。それでは気を付けて行ってらっしゃいませ。」
「行ってきます。」
こうして私の初クエストが始まった。
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