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星となった酢豚

自分でもどこ目指して書いているのか迷走中です。完全に思いつきで書いているので…。

前回のあらすじ。

とりあえず、エルボーの威力は凄い事が判明。


気絶した酢豚を木の下に残して教室に戻った俺は雅宗に叱られました。

「いつも、先輩に呼び出されたら俺に言ってくださいって言ってるじゃないですか。なんで一人で行っちゃうんですか」

珍しくご立腹の雅宗は俺を床に正座させる……なんて事はせず、椅子に座らせて自分はしゃがむことで目線を合わせた。

正座は正座でつらいけど、目を逸らせない時点でこっちのが精神的につらい。

でも、怒っている雅宗も素敵なんです。眼福なんです。

いつも爽やかな笑顔、もしくは苦笑で俺の相手をする雅宗は、もう少し、俺を叱るべきだと思う。

「雑魚っぽいし大丈夫かなーって…」

「大丈夫でも俺が心配するんです」

「…うん。雅宗の事までは思いつかなかった。…ごめん」

「…いえ。俺もいろいろ言ってすみません。なんか独占欲の強い彼氏みたいですよね…」

「ちょっとね。でも、雅宗に独占されたがってる女の子は多いだろうし、そんなに落ち込まなくても大丈夫だって!」

「うーん…俺みたいなのにそんな事思う人がいますかね?」

えっ…

何この人真面目に言ってるの?本気なの?

これだけ男前な顔の造りをしていながら…。

鏡を見ないのか⁉︎

「雅宗…君は何も分かっちゃいないよ‼︎」

俺は思わず立ち上がり、叫ぶ。

すると、横から声を掛けられた。

「一番何も分かっていないのは立花だと思うな」

や、ら、か、し、た。

何が起こっているか瞬時に理解したものの、あまりの恐ろしさに体が言うことを聞かない。

それでもなんとか目だけを声の方へ向けると、由乃先生が腕を組んだ状態で微笑んでいた。

や、ら、か、し、た。

「なんでお前は毎回毎回俺の授業を聞かないんだ?先生に何か恨みでもあるのか?」

「いやぁ、それは自分でもすっごい不思議なんですよねー…」

「…とりあえず、放課後俺のとこまで来なさい」

先生が右手を額に持って行き、ため息をつく。すっげえイケメンなんですけど。

うっかりもっと困らせたいとか思っちゃったんですけど。

本気でなんなの?俺。

なんでこんなに格好イイ先生の存在を消すの?俺。

なんで素知らぬ顔で席に着いてるの?雅宗。

「グッドラック」

爽やかな笑顔で言ってんじゃねえ。


さすがに温厚な俺でも、エルボーの被害者を増やすところでした。



「で、どうしたの?ロースカツは」

「だから酢豚だってば」

昼休み。俺たちは食堂に来ていた。

遊様は真っ先にロースカツ定食を。俺は酢豚を頼んだ。

「何の話だ?」

何が起きたか知らない暁鷹が眉をひそめる。

ちなみに暁鷹は焼き魚定食を頼んだ。

「どうやら、ハルに恋のキューピッドになってくれと言った奴がいるらしい」

「勇者かそいつは」

雅宗が唐揚げ定食を食べながら質問に答える。てか、暁鷹が失礼過ぎる。

「でロースカツとか酢豚ってのはなんなんだ?」

「そいつのあだ名。見た目が豚っぽいけどそのまま呼んだら可哀想かなって」

「調理すりゃイイってもんでもないだろ」

えー。暁鷹は文句ばっかり言って。

家畜を連想させるより美味しそうな物を連想させる方が気持ち、楽だと思いません?

「お前のことだから、引き受けたんだろ?」

「いや。とりあえず、エルボーかましといた」

「なんでだよ」

だって男子高校生がキューピッドって。

女子でも若干、許し難い何かがあるのに、言うに事欠いて酢豚先輩がキューピッドって。

遊様がお茶を飲みながらこちらをちらり、と見る。

「…なんとなく、ハルって他人の色恋沙汰とか好きそうなイメージあるけど」

…まぁ、確かにいろいろな件を引っ掻き回している自覚はありますけどね。

「んー…そういうことに首突っ込むと、イタズラして叱られるより、厄介なことになるからね。…それこそ刺されてもおかしくない事態になりかねないから」

こればかりは管轄外です。

「へぇ、意外だな。春世もそこらへん、ちゃんと考えれるんだな」

さっきから暁鷹は失礼過ぎますよね?腹いせに卵焼き奪ってやろうかな。

「でも、男に頼まれたんですよね?女の子よりかはそういう事態にならなさそうだけど…」

「いやぁ、酢豚は一途みたいだけど、女の方がねー」

暁鷹の卵焼きをどうすべきか、迷っていると皿の空いているところに置いてくれた。かわりに、豚を持っていかれる。

「付き合ってる奴がいるのか?」

「うーん。そこまでは分からないけど金髪君が気になってはいるみたい」

俺の一言に三人が箸を止める。

「誰?金髪君って」

「アレ?遅刻した理由言ってなかったっけ?」

「てっきり寝過ごしたのかと…違うんですか?」


俺は朝起きたことを順番に話していく。


「…と、言うわけで結果的に俺は朝から人助けをしたんだよねー」

「…いろいろ言いたい事はあるけど、とりあえずこれだけは言って良い?」

遊様に雅宗は浅く頷き、暁鷹は手振りでドーゾと促す。

「…なんでロースカツは蹴られた相手に恋の相談してんの」

「あ」

…そういえば聞いてなかったな。


そう呟くと三人が呆れた顔をしたが、俺は絶対に泣きません。…えぇ、泣きませんとも。




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