部活の希望調査
「なあ,シューお前昨日元気なかったな。」
「つーか,具合悪かったしなー。」
「自己紹介,残念だったな…」
コイツは,決して人の失敗を馬鹿にしたりはしない。
俺はコイツのそういう所が好きだ…いや,いいヤツだと心から思える。
しばらく歩いていると,俺はある事に気づいた。明らかに普通ではないという事に…
「どーした恭?全然喋ってないけど…」
「え?あ,いや何でもない…」
「大丈夫かぁ?」
と,泰雅が心配の声を掛けたが,返事は無かった。
教室に着いた。俺の席は…ああ,そっか…この影薄いヤツのとなりか。
「オッス!シュー!」
何だコイツ気持ち悪りぃな…
「何かいい事でもあったのか?」
「え?別に,いい事じゃないんだけど…」
「じゃあ何だよ…」
「いや,実は京子ちゃんと同じ部活に…」
ああ,そんな事かよ…
キーンコーンカーンコーン
「席ついてー。」
この担任,段々と言葉が…いつか席つけ…とか言いそうだな。女なのに…
「今日の日程は,とりあえず部活の希望調査をとります。今から希望用紙を配るので,名前を記入してください。その後に私が各部の紹介をします。」
部活ねぇ…別に帰宅部でもいいか…
「なあシュー,お前部活何にした?」
「んー?」
ああ,泰雅か…
「帰宅部…2がパソコン部で,3は図書部だよ…」
「帰宅部ねぇ~」
「何だよ…」
「別にー」
何か気にさわる言い方だな…
「あれ,恭は?」
「さあ?」
「なあ泰雅,どっか行こうぜー…」
「おう!」
あの会話から数分廊下を歩いていると…
「あっ!シュー,恭だ!」
「マジだ!隠れろ…」
何でこんなトコに…
「お,おい…女だぞ!」
「ホントだ,あれは3組の…小山だっけ?」
「ああ,多分な。」
アイツが女とねぇ~俺は,恭と小山?の話を聞こうとした。
「あ,あの恭君…」
「…」
「私,恭君の事,中学校の頃から好きでした!」
「…」
「…昨日の手紙,読んでくれましたか?」
「ああ,読んだよ…」
「あの,返事は…?」
「ゴメン…」
「マジかーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
「シュー!?」
あっ!ヤベぇ!気づかれた!
「逃げるぞ泰雅!って!もういねぇー!」
クソ!裏切られた!こうなったら,全力疾走だ!
「ハァハァ,ハァハァ…テ,テメェ!ハァ,泰雅ァ!テメ,裏切りやがってェ…!」
「だ,だから…ゴメンって!オイ!そのカッターどうするつもりだ!」
これでテメェのツラ切り刻んでやらぁー!」
しかし,3日でこんなに色々あるもんか?
恭の告白シーンといい,泰雅との鬼ごっこ?といい,まだ高校生活3日目だぞ…?
まぁ,平和だからいいか…
俺の高校生活3日目が終了した…