表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界破滅アプリ〜おっさんが現代にできたダンジョンに挑む  作者: 結城明日嘩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/25

隠密スキルを求めて

 買い物を済ませて夕方から仮眠、午後10時辺りから起きて準備を整える。まとめサイトに新情報がないかと確認すると、破滅アプリに鑑定機能があると判明していた。スマホのカメラで撮影すると簡易鑑定が行われ、宝箱に入っている石ころが鉄鉱石だったりする事が判明していた。

 ちなみに通路に落ちている石はやはり単なる【石ころ】で、投擲に使えるアイテム扱いらしい。【投擲】スキルもあるようなので、行動の幅を広げるためには取得を狙いたい所だな。


 午前1時に家を出て、地下鉄の入口へと到着。冷え込み始めた昨今、出歩く人は見かけない。そういえば地下鉄の入口をなぜ閉鎖していないのかと思ったが、内側からシャッターを降ろしても防災扉を閉めても外からみると入口は開いたままだそうだ。

 シャッターの手前に別空間の入口があるという事なのだろう。そして見えているのも別空間の景色となる。中から外の様子を伺う時、その姿は外からも見えてる可能性があるので、注意しなければ。

 人の目がないことを確認してからダンジョンへと入っていく。



 ダンジョンの中は元の地下街の様子を踏襲しているので、壁は清潔感のある白いタイル、床はグレーのリノリウムみたいな材質だ。革靴なんかだとコツコツ音を立てそうだ。スニーカーで足音を消すようにゆっくりと歩けばかなり緩和できるだろう。

 遠距離確認用のスコープを探してみると、小型の単眼鏡が良さそうだったので購入。普通に家電量販店にあるもんなんだな。

 忍び足で近づける距離で耳の動きが分かれば良いのでそこまで高倍率ではない。

 ひとまず背中を向けている獣を探す所から開始だ。


 前回で埋めたマップの範囲、獣と遭遇した辺りをベースに探していく。近くで耳を澄ますとチャッチャッという足音が聞こえるはず。そう思って足音を殺しながら耳を澄まして移動する。

 戦闘するより余程神経を使っていた。

 30分ほど歩き回ってようやく一匹目を発見、死角を意識しながら距離を詰めていく。


 獣の行動を観察していると、急に振り向く様な動物的行動はしないようだ。あくまで決められたルートを歩いていく。やはり生き物というよりは、ゲームで設定されたキャラという印象を受ける。

 となると待ち伏せなどもしやすい。

 通路の角で視界に入らない位置で待ち、通り過ぎた所を近づいて攻撃。背後から近づく俺に全く気づく素振りもなく、その背に鉄パイプの一撃が入った。

 慌てて振り返る獣に対して、2撃目、3撃目を入れて体勢を崩す。立ち直る暇を与えず持ち手部分を使って連撃、反動で戻って来る柄を持って、再び先端部分で打撃。そのまま一気に押し切って勝利。


「不意打ちからだとより楽だったな」


 振り向く一挙動分、一気に近づいて連撃が繰り出せた。棒の両端を使った攻撃は間合いが短くなるが、攻撃のサイクルは早くできるので撃破まで一気にいけた。


「さすがに1回でスキルは覚えないが、思ったより気づかれにくいみたいだな」


 獣は前しか警戒していなかったのか、全く気づく素振りもなく一撃入った。地下一階ということでかなり楽な相手を配置しているらしい。

 侵入者を撃退するのが目的なら一番強いやつを最初に置いておく方が良さそうだが、わざわざ弱い奴を置いてくれている。そこに何か意図があるんだろうか。

 破滅アプリとの関係も謎だが、ダンジョンというもの自体も謎が多いな。


「今考えても分からないし、ちゃっちゃと目的を達成するかな」


 俺は獣の姿を探すことにした。



 獣は一定区画を巡るように移動し、一度倒しても一定時間で再び現れる。まさにゲームのリポップとかリスポーンと呼ばれる敵の補充システムみたいだ。ダンジョンがゲームシステムをベースに作られているとは思う。破滅を起こすという悪魔も意外とミーハーなのかね。仲魔を集めるゲームの悪魔との交渉とかだとギャル語でしゃべったりとかだしな。その辺を踏襲してるのかどうか。


 とりあえずリポップを処理しながら12匹を倒したところで念願の【隠密】をゲット。これでダンジョンの出入りがしやすくなるだろう。

 スキルとしては物陰に隠れたり、足音を忍ばせたりが上手くなるって感じみたいだ。


 スキル取得後に獣へと近づくと、尻の辺りを触るまで気づかれなかった。ビクッと跳ねてリノリウムの床をカチャカチャ言わせながら滑って転ぶ姿は、無警戒な猫に触った時に暴れた姿を思い出した。めっちゃ怒るんだよな、あれやると。


 ついでに【棒術】スキルもゲットしていた。昼間に棒術の動画を見たのが効いたのかもしれない。少しはスムーズに振れるようになった気がする。獣を倒すのも早くなっていた。

 目的を達した俺はダンジョンから出る。【隠密】の効果を確認したかったが、時刻は午前6時、まだ駅の周りに人影はなかった。



 家で一眠りしてから遅めの昼食へと出かける。【隠密】を使いながら商店街を歩いてみると、その効果がよく分かる。次から次へと人にぶつかるのだ。ぶつかるまでそこに人がいると認識されていないらしい。

 特に地味な格好だとか、視認しにくい服装ではないはずだが、それでも効果を発揮している。思ったよりスキルの恩恵は大きいのだろうか。


 店員に話しかけながら【隠密】を使っても意味はなかった。話している途中で見失うような事はないようだ。あくまで認識していない相手が対象なのだろう。ひとまず人目につかずにダンジョンを出入りするという目的には使えるだろう。

 夕方から入るか考えたが、翌日の仕事を考えてちゃんと休む事にした。


 まとめサイトで情報を確認すると、アメリカでは地下4階まで進んでいるようだ。そこで出てくる人型の敵には、銃器が通じなかったらしい。3階の時点で効果が薄れたという報告も上がっている。

 ラノベの世界では銃が効かない魔物とかが多いが、それらを踏襲しているのかもしれない。


 魔術師はマジックアローが進化して、ファイアアローだとか、アイスアローといった属性が付与されたスキルが出てきているようだ。

 戦士にも必殺技の様なスキルが出ているらしい。武器が光に包まれて威力が上がるとなっている。動画を探して見てみると、確かに淡く光って獣を倒していた。

 やはりダンジョンから出ると使えなくなるようだ。


「やっぱ、戦闘系がカッコ良さそうだな」


 まあ別にダンジョン攻略にカッコ良さは求めてないけどな。純粋に戦闘力が上がるのは興味がある。斥候スカウトにはまだ戦闘系のスキルの発見はないらしい。【棒術】は汎用という分類らしく、魔術師でも習得可能なようだ。

 イメージ的に斥候は弓とか短剣とかが得意そうではあるが、弓は素人じゃ弦を引くのも一苦労と聞いた気がする。短剣は銃刀法が障害になりそうだ。そもそも包丁とかって短剣扱いになるのだろうか。

 ネットで銃刀法を調べると、刃渡り6cm以上で駄目らしい。普通の包丁でも引っかかるみたいだな。【隠密】スキルで隠せたりするんだろうか。多少見られる程度は誤魔化せそうだが、身体検査をされたらダメそうだ。


「隠密使ってたら職質受けたりもないんだろうが、危ない橋を渡る必要もないな」


 戦闘は棒術でやれてるから刃物所持は諦めよう。鉄パイプを折り畳めるとかできたら持ち運びに便利なんだが、連結部がどうしても弱くなりそうだしな。殴ってる途中で折れたら多分焦ってしまうので今のままが一番か。

 サブウェポンは欲しいが持ち運ぶのが大変になる。あまりに目立ち過ぎたら【隠密】も効かなくなりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ