めんどうくさがり
『アアアアアアアアアアア!!!』
『うるせぇ』
拳とか蹴りがなんかたくさんくるが全て避けている。
『ほい』
剣を振りかざすが見事な反射神経でそれを避ける。
避けたところに山があってまた見事に真っ二つになった。
『オオオオアアア!!』
拳が俺の体の中心部分に持っていかれる。
左に避けてそれを回避。
、、こいつなんか攻撃溜めようとしてるな。
確かめるために何回もできるだけ高速で切りつけてみる。
『フンッ!!』
全て避けて後ろに飛びやがった。
かすりでもしたら『絶対死』ってことを本能で理解してるのか?
めんどくさい部類だな。
『アアアアアアアア、、!!』
、、あいつもジリ貧だと思ったのか気を練り始めた。
空気が変わる。まるで地獄の番犬でも相手してるみたいだ。
だけど、、いつの日か戦ったあいつよりは弱い。
『オオオオオオオオオアアアアアアア!!!!!!!』
俺に向かって音速を超えて激突しようとしてくる。
、、、遅くね?
だが俺のすぐ目の前で停止する。
不自然すぎたが俺には明確だった。
凄まじい土煙が辺りを覆い尽くすが俺の手にはハッキリと感覚が残っていた。
ドサリ、と嫌な音を立てて何かが落下する。
いや、自分では分かりきっている。
落ちたものの正体。
あまりにあっけない最後。
、、それは紛れもないバルゴの頭だった。
街まで歩く。
なんか拍子抜けだった。
歩きたくな、ゲフンゲフンッ!
俺はイケメンッ(笑)だから不満なんて言わないけどな!
『あー疲れたもぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!』
3秒で忘れるとか鳥かな?
『ハッハッハッ!グロウったらひよわー!!』
『だまれ』
いきなり現れたローズがそんなこと言ってくるがどっから来たお前?
『お前な、、ところでレナ大丈夫だよな?大丈夫なんだよな?』
『おおぐいぐいくるねグロウ、これが愛ってやつっスか、、』
『いいからどうなんだよ』
『大丈夫だってあの後ミルラが回収したっぽいから〜』
『、、だから肩グイグイするのヤメテッス、、!!』
『おおすまん』
どうやら無意識にローズの体を掴んで揺さぶっていたようだ。
城をみじん切りにいた時にレナが居なかったからどこに行ったのかと思ったらミルラが、、
『ろーくん』
レナ、、いつから後ろにいたお前?
俺の知ってる奴神出鬼没なのやめて?
『どした?』
我ながら普段どうりの声が出せたぜ!
俺の勝ちだ!!
フフフハハハハハハハハ!!!
レナはそんな俺の気も知らずなんか凄い嬉しそうな泣きそうな顔で言ってきた。
『お帰りなさい』
いつの間にか夕日になっていてその光に照らされた姿はなんというか、、手に触れただけで崩れてしまいそうな、、
それでいて手に持たないと形を留めていられないような、、そんな儚さがあった。
『あぁ、ただいま』
、、、、俺何やってたんだろう、、、
『よかったっスね〜!グロウッ!!』
『痛ったァ!てめぇ背中強く叩くな!』
『あはは〜』
狭い路地裏を走る。
こんな所にはいられない、まさかあのバルゴが死ぬとは思いもよらなかった。
あんなものを倒せるのが本物の化け物だ、、!
あともう少し、あともう少し、、!!
こんなクソみてぇな王国からもう少しで逃れられる、、!
『おっと、王様。こんな所でどうしたんですか?』
こいつは、!!この王国最強の『時刻帝』のレイル・ドラゴスト、、!?なぜここにいる!こいつは急用とかでまかせを言って別国に行かしたはずだろ!!
『あ、あぁ、少しトイレに、、』
『こんな非常事態に護衛1人付けず?』
『あ、しかしみな疲労しておる、ここまでこんな事で苦労をかける訳には、』
『そうですか、、ところで足は前に骨折したのでは?』
『そ、それはさっきだいぶ痛みが引いてきたのだ、!』
なんだこいつ、、!用がないならさっさと行かせろ、!!
『おっと、すみません、それは一年前の話でした』
『ーーっっ!!!』
こいつ、、!!!
『ところで王様、自分は王城の記録の改竄前の記録を見て見たのですが、、』
そう言ってペラペラと数十枚の紙をとりだす。
!?、こいつ改竄前といったか!?嘘だ!俺は全部燃やしたはずだぞ!!
『ですが、正直いってこれをバラす気にもなりません』
『もう王様にも、王国にももう興味もないので』
そう言って紙をバラバラと放り投げる。
よ、よかった、!!こいつがばらしたら私の立場がどうなる事か、!
『ですが』
『ごふっ!?』
突然腹を蹴られ木箱に激突する。
なぜ、、なぜ私蹴られたのだ、、?
私は、、!!王族だぞ!!
『私にはね、大切な友人が居るんですよ』
『どれも良い奴ばかりです。僕には勿体ないほどにね』
『でもだからこそ、、彼らが傷つく姿を見たくなかった』
『分かりますか王様?自分が着いた時には何もかも終わっていた無気力感が!レナなんて見ましたか?生きてはいましたが血まみれだったんですよ?グロウなんてあんな脳筋と戦っていたんですよ?』
『そ、それがなんだ!私の知ったことではない!!』
こ、こいつ、、なぜだ、?足がすくむ、、立てない、!
『王様、僕は友人にそうなって欲しくない。少なからず、僕のいる所では。だから根本の原因を潰すことに決めたんです』
『こ、根本の原因、、?』
『そう、あなたの事です。王様』
『もうあなたがこの王国をあの脳筋で滅ぼす、そしてこの王国の民のせいで死んだ父親の仇を晴らす、、なんてストーリーを考えていたようですが、いささか考えが至らなさすぎですね?』
なんでこいつそこまで知って、!!
『もうお遊びは終わりにしましょう。王様』
『は、は、なにをいってる、んだ、!や、やめろ、死にたくない、!!こんなところで、!!私はァ、!!』
こいつ、首を絞める力が尋常じゃない、!!!は、離すことが出来ない、!!
『お休みなさいませ、王様』
い、意識が、無くなっ
☆
数日後。
『どーしたの〜グロウワイをこんな路地裏っぽいとこに連れてきて〜、、はっまさか今から襲われるっスか?』
『んなわけねぇだろ』
そう、おれはローズを面倒くささを何とか乗り越え連れてきたのだ。
『で、どうしたんスか話って?』
『あぁ、単刀直入に聞く』
あの時は疑問にも思わなかったが数日たった後に気づいたのだ。
言葉の節々の疑問。
『お前なんで俺が戦えること知ってたんだ?』
図星を付かれたように固まるローズ。
絶対なんか知ってるな。
『え、えと、それは、、』
、、こいつ躊躇ってるな?
『おい言えよ?言わなかったらレナの食事食べさせないからな』
『言わせていただきますっス!!!!』
『食いつき早っ』
なんか土下座もしそうな勢いである。
でもそんな雰囲気とは裏腹に、ローズの顔は少し困惑で満たされていた。
『で、でも知らないんスか?グロウ?自分がなんて呼ばれてるかって、、』
『知らねえよニートだぞ』
『んーでも教えよっかな〜』
『おい』
『嘘嘘言ったげるっスよー、、ねぇ』
『『神殺し』のグロウ君?』