運ゲーなんて嫌い。
今俺たちは外に出ている。
まあ暇だったのと保護したやつがまた寝出したのですることもないからとレナが提案したことである。
まあ正直暇なら家にいてのんびりしたいというのが俺の本音なんだか彼女の用事に付き合うのは苦ではないのでついてきた。
『本当にここって賑やかだな。』
『そうだね〜?』
『なんかおもしろそーなのねーかなー』
『景色とか面白いもの見たいならダンジョンでも潜ってみる?E級の一番簡単なの。』
『めんどくさい』
『あははっ、言うと思った』
そんなこと言いながら俺の二の腕に抱きつきながら笑顔で歩いてる様はなんというか俺からしたら嬉しいのだが周りからすごいみられているのである。
まあ当たり前かもしれない、レナは彼氏贔屓目で見なくとも美少女である。少なからず注目を浴びてしまうのも致し方ないと言うものだ。
それにしてもダンジョンか、、確かE,D、C、B、A、S
SSの階級があってもうD級から少し鍛えたような一般人には攻略不可能と言われているらしいが、、俺に行けるのか?まあめんどくさいから行かないと思うが。
そんなことを考えていると一つの店が目に入った。
看板を見てみるとくじ引き屋らしい。珍しいな。
『なああのくじ引き屋いってみね?』
『いいよー』
なんか腕に頬ずりまでしてきているし無自覚なのかよくわからんが無心を貫きとりあえず承諾は得たので店の前までいってみる。
どうやら店の前にある紙を見ると5等から1等まであるようだ。
1等は、、魔剣?豪華すぎないか?
そう思い店の奥を見るとたしかに1等と書かれた紙が貼られている片手剣のような物が確かにある。
そんなことを考えているとくじ引き屋の店長っぽい人が顔を出してきた。
『おっにいちゃん魔剣が欲しいのかい?その魔剣はダンジョンの発掘品でな!魔力を込めると炎を纏うらしいぜ!』
へーえ。便利なものだな。
ダンジョン発掘品か、、ダンジョンには魔法武器や魔具があって現代の技術じゃ作り得ないものがあると聞いたことはあるが、、なるほど、発掘品なら1等は納得である。
何せダンジョンに潜って持って帰って来るだけのものなのだ。それが危険なのであるが。
そんな話を聞きながら隣を見るとレナはその話に興味が沸いたのか目をキラキラさせていた。
『ろーくんやってみようよ!何狙う?』
『1等』
『ハードルたかっ!』
『じゃあ5等』
『ハードルひくっ!』
『じゃあ3等』
『急に妥当!?』
そんなことをしていたら何か面白かったのか店長が大笑いしていた。
『ハッハッハッ!面白えなあんた達!いいぜ!一回無料にしてやるよ!』
そんなことを言いながら上に穴の空いた箱のようなものを取り出してきた。気前がいいな。
『ありがうございます』
そう言いながら紙一枚引くとそこには、、2等?
うわ反応しづらいやつ来たよ。最悪だわ。
そこはせめて5等引こうぜ?ネタ的に、、ね?
んで肝心の2等は、、C級ダンジョン見学?
なんだそれ。知らない間に観光名所になったんですかダンジョンさん?
店長は『よかったな!』といってなんかチケット二人分をレナに渡しているがこんなもの俺はいらない。
『あのーこれってなんでs』
『見つけたーーーーーーーーー!!!!』
おおぉ、うるっせ。なんだなんだ。
そう思い声のした方向に顔を向けるとそこには、、
金髪の豪華な服を着た少女が仁王立ちでこちらに指をさして突っ立っていたこちらに指をさしていた
『誰?』
『はあ!?あんた私を知らないの?!』
そうやってこの世のものとは思えないと言わんばかりの顔でこちらを見てくる。
いや知らねぇよ公衆のど真ん中で叫ぶ金髪ロリとか。
マンドラゴラかなんかですか?
こうゆうやつとか関わらない方が身のためになるしな。
てか見つけたとか言ってたが誰を?俺か?でも俺ずっとニートしてたからなんかやばいことしたとかないはず、、あれないよね?
そう思い店の方を見ると店長が土下座していた。
誰がどう見ても完璧と言わざるおえない形で。
うーん、百点!じゃないんだわ。
え?土下座?つーかいつ土下座したんだよお前。
まさかレナも、、思いつつ見ると気まずそうに顔を背けていた。よかった。俺が常識知らずだと思われるところだった。
『ろーくんあんまり外出てないからあんまり外の常識知らないでしょ』
『心を読むんじゃねぇ。』
急にふいっと顔を俺に戻したレナに指摘しておくがここでずっと放置されてた金髪少女がいい加減痺れを切らしたのか口を開く。
『レナ!あなたなによその男!彼氏でも作ったっていうの!?』
『はい。私の彼氏です』
『!??』
レナが即答してもう一度おれの腕に抱きつくと今までせわしなさそうに動いていた顔が見事にピタリ止まった。
おもしれー女。関わりたくはないが。
というかレナに話があるのか?なぜ?
俺がもう一度少女の方を見ると彼女も理解してきたのかピタリと体をもう止めてはいない。
『か、彼氏、、ま、まあいいわ!私と勝負しなさい!』
『お断りします』
『!!?』
そうしてまたピタリと動きを止める少女。
動いたり動かなかったり忙しいなこいつ。
でもなんでレナが受けないか気になるので耳元に寄って聞いてみる。
(なあ、なんでこいつの勝負受けないの?)
(もうこれで101回目の勝負の申し込みだから流石に断らないと永遠にしそうだから)
(わお)
体を少し震わせながらレナはそう言ってきたが、確かに100回も挑まれたら嫌である。てかよく数えてるな。
俺なら一回でもやだね。
(ちなみに何回勝ってるの?)
(100回だよ)
は?いやいい加減諦めとけよ。精神凄すぎだろ。
ある意味尊敬できるかもしれない。
『あなた、、!まさかこの男と遊びにふけってるんじゃないでしょうね!?
大体こんな男の何がいいのよ!どう見てもいいところなんて一つもなさそうなダメ男っぽそうじゃない!』
『まさか弱みでも握られたの!?こんな奴に!なら助けてほしいって言いなさいよ!やっぱり男って言うのは大体がクズって決まってるのね!』
わーお辛辣ゥ!まあ自分でも自覚してるからいいもんね!
ダメ男って!いやだめか?
つかあと妄想激しすぎじゃね?
いいもん、いいもん、グスッ、、レナに後で慰めてもらうもん、、あ、これかダメ男って。
そんなふざけたことを思っていると少し腕が強く締め付けられていることに気づいた。
『いいですよ』
『えっ』
『やりましょうか。勝負』
『いいの!?やたっ!じゃあ今すぐ城に行きましょう!今すぐ!』
『はい。やりましょうか』
そうして喜んで城の方向に行く彼女に同行することになっているのだが、、
レナが少し怒っている気がするのだが、気のせいだろうか?
、、、、これ家に帰ってもバレねぇかな、、、、、
そんな時一人で布団に座っている少年がいた。
そう、俺である。
ねえ俺忘れられてない!?大丈夫!?
このまま俺ここで忘れられて死ぬの?!
イヤァァアアアアアアアアアアア!!!!!
☆
そして城の中に入ってきた俺達はでかい訓練場ようなところに案内された。
そしてこの金髪少女、もう少なからず俺も思っていたが王の娘らしい。道理で豪華な服を着てたわけだ。
なんで王の娘がうちのレナと接点があるのか不思議だが。
とはいえ、やはり王城。バカクソでかい。
くる時もすごいメイドとか執事が並んで出迎えてきたし、
とにかく待遇がすごい。
さっきも俺に椅子とテーブルを用意してくれた専属執事っぽいのもいたし、王の娘ってのはすごいんだな。
さて、そんなことを思っているとあっちの二人はもう戦うようだ。どうやら決闘らしい。
さっきの豪華な服と打って変わって素朴な服に着替えてきてきたようだ。
もう戦いたくてうずうずしている様子の少女、名前はミルラ•エルラードと言うらしいが、、
どうやらレナも準備は出来てるようだ。
ミルラは戦闘体勢に入っているがレナは棒立ちである。
、、大丈夫か?
『いつ始めるんですか?』
『いつでもいいわ!かかってきなさい!』
あいつ100回負けてんのに強気だな、、と思うとすでにレナが手をミルラの方に向けていた。
『紅蓮爆発』
レナがそう言った途端先ほどミルラがいた場所に凄まじい大爆発が巻き起こる。
おいおいおいおい死んだわあいつ。初っ端から飛ばし過ぎじゃないですかねレナさん?
さっき執事が運んできてくれたテーブル吹っ飛びましたよ?
なんて考えていたらレナの後ろにミルラが移動していた。
そのまま蹴りを食らわせようとして薄いガラス壁みたいなのに弾かれていた。あれが魔力障壁ってやつか。
『チッ』
だが何回も何回も幾度となく高速で至る所に蹴りや拳を当てていると壁にヒビが入った。
『、、!』
慌ててレナが地面を蹴って後ろに下がるがそんなものお構いなしに突っ込んでいく。
『雷撃暴風』
だがその瞬間雷を纏った大蛇のような風が辺りを覆う。
なんかかなりやばい天候技みたいなの使ってるけどだいぶこの辺りやべえことになってるんだよなー。
、、、それ損害賠償とか請求されないよな、、?
請求されたらレナと逃げるか。そうしよう。
と、暴風が晴れてきたとおもったらレナが辺りを見回している。あれ?あの騒音金髪少女どこ行った?
と思ったらいた。上から降ってきている。
『終わりよ!!』
その言葉を境にミルラが地面に到達して地面が割れ始める。
だがレナは体に極限まで縮めた障壁で防御。
そのままミルラの懐に潜り込む。
『挟撃突風』
そのままミルラの体をすごい勢いで吹き飛ばした。
俺のすぐ真横に。
激突した壁がガラガラと音を立てて崩れる。
え?大丈夫なのあれ?死んでね?
と思ったら瓦礫の中から飛び出してきた。
『あーあ、また負けちゃった』
パンパンと鬱陶しそうに埃を払う。
だがその姿はあの騒音金髪少女ではなく一人の戦士のように見えた。
『いえ、ミルラも強くなっていました。努力しているのがよくわかります』
『お世辞はいいわ。でも流石は最年少で八大聖騎士のうちの一人に選ばれるだけはあるわね』
『あんなものただの運です』
『相変わらず謙虚ね』
二人は少しの間笑い合ってこちらに向き直ってくる
レナももう怒ってはないようだ。
とりあえず俺もレナを褒めることにする。
『すごかったぞあの魔術。さすがだなー』
我ながらヘタクソな褒め言葉になってしまった。
クッソ語彙力がねぇ!
だがそう言うとレナがさっきの戦いでの凛々しい姿はどこに行ったのか、顔を急にふにゃっとしてゆるゆるになりながら俺の方にもたれかかってくる。
いやさっきの感じどこいった?ほら隣の奴までなんかめちゃくちゃ驚いてんぞ。
だがとりあえず決闘の後だというのにふわふわな髪を撫でておく。
『ふへへ、ありがと〜ろーくーん〜』
そうやって頬ですりすりしてくるのはとても愛らしいしやめさせたくないのだがそろそろ現実を見せるべきだと思い誰も言い出さなかったことを口にする。
『なあレナ、一つ言いたい事がある』
『ん〜?どうしたの〜?』
『お前ら二人この訓練場どうすんの?』
『『あっっっ』』
そういって見事に体の動きを停止する二人。
なんかその姿もかわいいので頬をつついておく。
だがどうやらこの後のことは考えてなかったようだ。
、、、、えなんも考えてないの?、、、、
ちなみにこの後そのままでいたら兵士たちが入り込んで絶句していたのは言うまでもない。