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朝っていいことあんま起こんないよね

ベッドというのは人類が開発してきた中でとても素晴らしいものだと俺は思うのだ。

潜ればぬくぬく、寝れば幸せ、起きて二度寝する背徳感。

窓から差し込む日の心地良さ。


『はー、、最高〜』

そんなことを言っていると寝室のドアが開いた。


『ろーくん朝ごはん出来たよ〜』

そんなことを言いながらぴょこっと顔をだしてきたのは茶髪のロングでアホ毛がぴょこんと付いていて銀色の星の形のネックレスを付けている可愛らしい少女。

そう、俺の彼女である。


嘘ではなくマジである。今は同居中、しかも家事料理ほぼできるとか言うスーパー美少女である。

『へいへーい』

そう言いながらベッドを降りて寝室をでると椅子に座って一緒に手を合わせる。

『『いただきます』』

きょうの朝飯は目玉焼きとウインナーと白米である。

『うまー』

『ありがと〜』

そう言って嬉しそうに優しく微笑む彼女に自分も顔が綻びかけるがなんとか持ち堪えて食事を済ませる。

そしてもう一度寝ようかな、と窓を見ながら思っていると食材の整理をしていたレナがふと思い出したように立ち上がった。

『ろーくん最近この街の近くで天から白い光が舞い降りてきてみんなびっくりだったらしいよ?』

と可愛らしい顔でこちらを見てくるがそんなもの普段面倒臭くて外に出てない俺に言われてもどうにもしないのである。

『まあーそんなこと言われてもどうもしねーしなー』

そういうとレナはくすくす笑い出した。

『まあろーくんは外も出ないし興味もあんまりないもんねー?、、あっトマト切れてる』

『そもそも外に行きたいとかいう奴の考えがわからねぇ、』

『私の用事とかついてきてくれるのに?』

そんないじわるな顔をしてきて言ってくるがそれも愛らしい、、それはそれでいいとして。

『当たり前だろ一番大切な彼女なんだから。』

『えっ、、おぅ、、、』

そんな自分でも恥ずかしい言葉にレナはもっと恥ずかしそうに指をいじりながら赤くなった顔を背けている。

『えっと、、あの、、あっ!トマト買ってくるね!』

そんなことを言ってそそくさと出ようとする姿を見ながら一応言っておこうと思う言葉を言う。

『あー俺もついていくー?』

『大丈夫!私だけで行ってくるね!』

そう言ってカゴを持って玄関からでていってしまった。

、、、逃げたな。



逃げてきてしまった。

自分の彼氏はすぐああ言う事を別に恥じらいもせずに言ってくるところが心臓に悪い。

カッコいいし、ああいうことを言ってくれるのは嬉しいのだがとにかく心臓に悪い。

でもそんなところも好きであるし、一概にダメともいえない。

だが、最近自分が恥ずかしがっているだけでまったく彼は恥ずかしがってないのである。

耳元で甘い言葉でも囁くべきなのだろうか、、

でも正直甘い言葉を耳元で自分に言われると背筋に甘い痺れがぞくぞくして意識がふわふわするからちょっとハマり始めている自分もいるのだが、やっぱりこれだけじゃダメだと思うのだ。


と、そんなことを考えていると八百屋の前までついた。

『おっレナちゃん!どうした今日は!なんか買ってくかい?サービスしとくよ!』

そんな気前のいいことを言ってくれるのは八百屋のバナマさん。この店はいつも使っているので顔見知りである。


『ではトマトを10個ください。』

『あいよ!』

そう言うとトマト達がふわふわと浮かんで自分のカゴの中に入っていく。

これはどうやらバナマさんのスキルらしい。便利なものである。

『4ブロンズだぜ!』

そう言われたのできっちり4ブロンズ払う。


この世界にはスキル、体質、魔術というものがある。

スキルはどうやらこの世界の神が古代のひよわだった人間に与えた能力であり、いろんなものを凍らせたり、浮かせたりでき、発芽する人と発芽しない人がいる。

ちなみに私は癒しのスキルが発芽している。


次に体質、これは毒が効かなかったり身体能力を底上げするする有用なものもあれば手をありえない方向に曲げたりするものなど使い所が限られてるものも多い。

これも持っている人持ってない人がおり、私は体質は出なかった


魔術は四大属性である火、水、風、土、を使う事ができる。他にも混合魔術やオリジナル魔術があるがあまりに多種多様なので全部は覚えていない。

人間が神の真似事をしたことが始まりらしいが、、

まだわかっていないことが多いので国が総力を上げて解明中である。


ここではお金の順位はブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナに分けられている。

学のないものでも分かりやすように、とこの国の王が決めたらしい。分かりやすくて助かるのでありがたい限りである。

そんなことを思いながらバナマさんと話していると急に思い出したかのように不安そうな顔をしていた。

『なあ、最近中級殺しって言うやつが流行ってるんだってな、なんでも結構稼いでるようなC級とかD級を集団襲う奴がいるらしい、最近は物騒だからな、レナちゃんも気をつけろよ!』


『はい、忠告ありがとうございます。』

そんな人達がいるのか、少し怖いな。

そう思いながらお辞儀をして八百屋から離れる。

離れている最中にカゴが少し重いと思い見てみるとりんごが3個入っていた。

いい人である。

路地裏近くにきたところで何かが視界端に映った気がして振り返る。

だがそこには木箱が積まれているだけで何もなかった。

『、、気のせいかな?』

そう思い帰ろうとしたときにバタンッと音がして見ると男の子が倒れていた。

急いですぐに駆け寄る。

『大丈夫ですか!どうしたんですか!』

その男の子は見ると結構痩せてはいるが息はしている。

どうやら寝ているようだ。

『うーん、、どうしよう、、』

正直なところここで生きていたから帰ろうとはならない。

このままだとこの子は死んでしまうだろう。

もしや奴隷なのではないだろうか。

いや、奴隷だからと言って助けない理由にはならない。

しかし、、

『た、、けて、、』

その言葉を聞いて私は助ける決断をした。



ここはどこだろう、、たしか、最後の記憶は路地裏の木箱の裏で、、あれ、なんだっけ、、?

そんなことを考えていると自分が寝ている隣にりんごがあった。

なんであったのか知らないがとりあえず2日ぐらい何も食べてなかったので全部食べ切る。美味しい。

食べて気持ちが落ち着いたがここはどこだろう、家だが誰の家だ?

そう思うと目の前の扉が開いて一人の美少女が現れた。

整っていて優しそうな顔、ふわふわしていて触ってみたい

ロングの茶髪。

起きている俺を見ると何やら安心して俺に話しかけてきた。

『よかった、、大丈夫ですか?』

そしてなによりその小さすぎず大きすぎないその胸が、!!なるほど、俺のラブコメファンタジーはこれから始まるのか、、!

『あ、あの、聞いてます、?』

おおっといかんいかん、おそらく命の恩人になんてことを。

そもそもここがどこか二日間知らなかったのだ。それを聞いてみたい。

『あ、聞いてます聞いてます。ところでここってー、、どこですか、、?』

こんなよくわからん奴にも彼女は丁寧に教えてくれた。

この国は貿易大国エルラードといいこの世界でも一位二位を争うほどの大国であること。

少し前から白い光が舞い降りてきたことなどさまざまなことを教えてくれた。


と、色々話終わったところで扉から一人男が現れた。

『おーいレナ終わったか〜?』

その声を聞くと嬉しそうに振り向くレナという彼女。

あ、、あれ?そんなことないよね、、?

『あっろーくん!今目を覚ましたんだよー。』

『おお』

その男は俺を少し見つめてからまた彼女の近くに寄っていく。

え?大丈夫だよね?俺の異世界ラブコメ終わってないよね?

『あのーその人は、、?』

そう言うと少女が振り返って言う。

俺にとって、絶望の言葉を。

『あぁ!紹介がまだでしたね!私の彼氏のろーくんです!』

『ども』

そうやって気だるそうに言ってきたのは17ぐらいの黒のコートを着ている男。

ぇ、彼氏?彼氏ってあの彼氏?え?

俺のラブコメは?ラブラブファンタジーは?

え ? 

こんなラブコメ直行そうな展開しといて?

え?

う、嘘だ、、、!

ふ、ふざけるなぁ!なんだよ!運命体質って!!

色々な運命引き寄せる的なこと書いてたじゃん!なんだよ!運命強固って!うあああああああああ!!

そんなことを思いながら2日分の疲れが溜まっていたのか俺の意識はブラックアウトした。



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