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7話:血

【注意喚起】

※女性の月のもののお話しがありますので、苦手な方はお戻りくださいませ。


「あ、ごめん。私の話題入れていい?」


「どんとこいやぁぁぁあああ!!!」

「菜の花先輩もなんかあるんです?!」



「これさ、姉の職場であった話なんだけど…


女の人がね、仕事中に手切っちゃったらしいんだって」


「ざっくりか?!流血か?!」

「ひぇえっ!!」


「話を聞くと、ちょっと切ったらしいだけなんだけど、まぁ血が割と出たらしいのよ」


椿と桃が二人で手を合わせ組みながら話しを聞く。



「そしたらね、その女性は『血が苦手なんです!』って言って、もう座り込んじゃったらしいんだって」

「お気の毒ですね、苦手なのに・・・」

「んだ、んだ」


「でね、そこからなんだけど・・・その場にいた、女の先輩たちがさ、ちょっと離れたところで言ったらしいのよ。『あんな流血、生理に比べたら全然大したことなくない?なんなの?か弱いアピールなの?あんな出血で怖がってんだったら生理の時どうしてるわけ?』だそうです」


「血が出てるのにそんなこといんですか!?」

「椿ぴょんは手を切っちゃった時とかやっぱりだめ?」

「私自身は大丈夫です」

けろっとした顔で言った。


「でも、私は自分自身の事だから、痛みも耐えられるくらいだなーとか思ったらそこまで具合悪くならないです、というか、むしろ気にしないですね。でも、他の人か流血してたら逆に心配になります!自分じゃその痛さがわからないから・・・」


「アタシは、先輩の言ってる”意味”はわかる。でも、それとこれとは違うんだよなー」

「どう違うんですか?」


「私もね?それとこれとは違うって思ったの。桃と全く一緒かはわからないけど。確かに、生理は生理でかなりの量でしょ?でも、病気じゃないじゃない?体のサイクルで、大体一週間って期間も決まってるし、量だって自分でわかるじゃない?でも、意図せず切ってしまった出血に関しては、全く想像がつかないのよ」

「そう言うものですか?」

「板前やってて、しょっちゅう手を切ってるなら、『このぐらいの切り傷なら、大丈夫だな』とか『この血の出方なら10分くらいの止血かな』とか慣れでなんとかなってくる事もあるだろうけどな!」


「そうそう、普段から手なんか切らない人だったら尚更なのよ。その傷を洗うべきなのか?消毒しないと雑菌が入って化膿しちゃうかも?とか、そもそも、これは切りすぎ?病院行って縫ってもらわなくちゃいけないの?とか、それで、自分の中で安全が保障される知識がないと、怖くなっちゃうじゃない?それで、どんどん体調が悪くなるのよ」



「でもなー、それ、普段から切り傷とか出血に慣れてる人とか、本当に気にしない人からすると、『何可愛こぶってんの?』とかになっちゃうんだよなー」

「そうそう、姉はもっと酷い事に、『どっちの言ってる事もさっぱりわからない』だって」

「新しい強者だな!!」


「でも、出血で怖くなっちゃうのもわかるけど、大抵少しの切り傷なら大丈夫だから、その女性にはメンタルを強く保っててもらいたいものよね。メンタルのショックの度合いって、本当に体に響くから」


「それ!!びっくりしたり、ショックがもたらす体への影響ってマジで侮れないからな!」

「そうなんですか?!」

「ほら、良くあるじゃない?頭を鈍器で殴られたようだっていうの」

「ああ!本当にびっくりした時に起こるアレですね!」

「アレはね・・・確かに外的打撃こそないけど、内的打撃は残っているの。ほら、ショックなこと聞いて気を失う人っているじゃない?」

「はい!!はい!!」

漫画やドラマのワンシーンを思い出して、椿が意欲的に菜の花の話しを聞く。



「あれは、ショックの最たるものよね。心の受け止め方によっては、アレほどまでに衝撃を受けるの。でも、それって人によるじゃない?『人気アイドルの○○が引退します!』って聞いてファンの方が○○ロスだのなんだの言ってるけど、なるべく心を明るく保つように頑張ってほしいわ」

「心が打撃を喰らったり、暗い気持ちの時間は、本当に体を蝕むからな!」


「なるほど・・・【心のダメージは体に出る】・・・ですね!!」

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