4話:自転車漕ぎ
「こんにちは!今日は昨日の続きで発達障害の・・・あれ、先輩たちどうしたんですか?」
「椿っち、おは、おは」
「椿ぴょん、実は百合が小学生の自転車に突っ込まれてねー、念の為に病院行ってますー」
「えええええ!!!!!」
桃はいつも通りのストレッチを、菜の花は机に頬杖を突きながらため息を吐いた。
「私と一緒に大学の外の薬局に行ってたの。そしたらさ、小学生の5年生くらいかな?自転車に乗った男の子が、私と百合を避けようとして上手く避けられなくてねー。すごくよろけて百合にぶつかったのよ」
「・・・小学生の男の子の自転車が・・・?」
「そうなのよ」
「でも、百合はその場の大人が『念のために』って言ったらか病院行くって言ったらしいぞ。本人はピンピンしてて大丈夫だと」
「そうそう、別に頭打った訳じゃないし、それくらいの怪我なんて子供の時派手にすっ転んだのと比べると本当に大したことないんだけどね」
「嘘です!!!」
椿が部屋の机をバンッ!!と叩いた。
「どうしたの椿ぴょん?!」
「どした?!真の椿っちのお目見えか?!」
「小学生のしかも高学年の男の子が”自転車でふらつく”とかあり得ないです!!」
「どうした!椿論か?!その心は?!」
「だって、小学生の低学年ならまだしも、高学年から大学生の男子って、体幹とかなんかバランス感覚すごくなかったですか?!」
「確かに・・・同級生の男子とか、立ち漕ぎはするし、なんなら階段とか降りてたわね・・・」
菜の花が自分の過去を思い出しながら言う。
「そうですよね?!自転車が自分の体の一部みたいな感じに乗りこなしじゃなかったですか?!」
「まぁ、昔は、みんな外で遊んでたからな!ゲーム機持ってチャリで全速力で公園に集合とかしてたの見てたし。でも、中には苦手な奴もいたかもしれんけど!」
「私もこの間遭遇しました!なんか、山道でも砂利道でもない、普通の綺麗な道路なのに!!なのに!!ふらついてる自転車に乗った男の子!!女の子なんか、もう漕ぐ時内股になっちゃってます!!
私の兄の友達ですけど、小学校の時、長い坂道を下りながら!両手を離すどころか!離した両手でゲームしてたんですよ!それくらい昔の小学生男子は体幹とかすごかったんです!」
「両手離しとかはアタシもやってたぞ!」
「で、椿ぴょんは、なんでそうなったと思うの?」
「テレビ画面に繋いでやるゲームのクオリティが上がった事!そして、股関節の弱りですよ・・・どうやら風の噂で聞きましたが・・・最近の小学校では、雑巾掛けをしない学校が増えているとか・・・」
「廊下の雑巾掛けキツかったの今でも覚えてるー!」
桃が天井を向いて叫んだ。
「無駄にさ、長い廊下の端から端までやるわよね!」
「そうです!あの無駄な雑巾掛けは実は無駄じゃなかったって事です!!あの雑巾掛けとかをしなくなったら!股関節がなかなか鍛えられないんです!原因の一つでしょうけど!!コロナで学校行ってなかった事もあると思いますけど!」
「なるほどなぁ、そういうものの積み重ねで股関節が鍛えられて他としたら、毎日の雑巾掛けがないのは筋肉発達のチャンスを逃してるっちゃ逃してるかもなー」
菜の花が自分のノートに書き始めた。
「確かにー、一理あるかもしれないわね・・・。じゃぁ、【小学生の自転車の運転技術の低下・・・小学校の雑巾掛けの有無】っと。あと何か股関節の筋肉発達が弱くなった原因とかになり得そうな現代の生活習慣が思いついたら教えてー」
「・・・そもそも、赤ちゃんの時の歩き始めの時に米背負わせてないんじゃないか?!」
「「昭和!!」」