3話:SNS
「え?先輩達SNSほとんどしないんですか?」
「メシ見るだけ」
「私、お花とか空とかの自然の写真だけ」
「私はネイティブの英語紹介の見るだけ」
一回生の椿は驚く。SNSこそ、なにかヒントが転がっていると思ったからだ。
「あれは使い方を間違えると猛毒だからなぁ!」
「欲しいものだけ見た方が良いわよ?」
「大学生なんてSNSばっかりやってると思ってた?」
「はい、そう言ったところからヒントを得てると思ってました!
《どうして人の投稿に噛み付くのか》とか《マウントを取る人の心理》とか《この投稿者はどうしてこう言う事をするのか?》とか、議題になり得るかなって思ってました」
1番SNSが好きそうだ。と思われがちな、頭の先から全身を綺麗にするのが趣味な菜の花が喋る。
「椿ぴょん、確かにこのサークルに関して、良い題材になりそうなものがSNSにはゴロゴロ転がってるわ。でもね、それ見て良い気になる?
議題には良いけど、それ読んでて良い気になる?
ならないでしょう?
なるべくね、日常のなかで目にした光景を題材としたいのよ。日常で気になった事に関して議論したりするのが、そもそも【研究員である私たちの心の安寧】に繋がるの!」
「議題を見つけに行かないんですか!」
「私たちの議題はその辺にもゴロゴロ転がってるのよ!例えばそうね…私たちの座ってる椅子!なんで日本は畳で直座りだったのに、椅子にしたのか?椅子にしたことで健康にはどう影響したか?とか、桃が好きな食べ物に直結するなら、長寿国TOP3の食生活研究とか!」
「それ!楽しそうだし美味そうだな!料理再現してくれ!」
「SNSはさ、人から反応が欲しかったり、バズったりしたいから嘘つく人だっているでしょ?それに暗い話しを投稿してる人に付き合い過ぎてたらこっちも暗くなるからね。たまには良いかも知れないけど私はあまり見たくないかなー」
「そうでしたか…」
「もちろん、私たちの好みじゃないだけで、椿ぴょんが好きならやっても良いのよ?」
「うーん、辛くなる手前まではやってみようかなって思います」
「でも!気をつけろな!暗い記事はメンタル侵食するからな!アタシは、病気とかの呟き載せてるのが苦手だからな!載せるのが悪いんじゃなくて、見てると怖くて具合悪くなるんだ!」
「え?!桃先輩そうなんですか?!」
運動ばかりしていて元気そうで脳天気そうな桃の一面に椿は驚いた。
「私もね、実は勝手に流れてくるあの手の記事が凄く苦手なの。ほら、《◯人に1人はかかる病気》とか広告あるじゃない?ああ言うの怖くて嫌なのよねぇ〜」
「確かに、自分がかかるかもって思っちゃいますよね…」
「私は毛程も思わないけどね」
どうやら、百合はなんとも思わないようだ。
「でもな!こうやって、運動とかストレッチしてからは多少はマシになったんだ!昔は本当に嫌だったことも、まぁちょっと嫌かな…くらいまでにはな!」
「そうなんですね!」
「あれよね、桃は《発達障害には運動が効果的、改善傾向にある》って記事見てからよね!」
「そう!それそれ!あれ!宣伝の仕方がめっちゃイマイチだったんだけど、考えたらアタシの中で色々と仮説が出来てな!」
「ええ!聞きたいですー!」
百合がノートを開く
「【SNSは人によっては、見るだけでメンタルに攻撃性有】て、次は【発達障害と運動の関係】っと」