2話:学生鞄
この小説は思い込みとこじつけを基に作成されたフィクションです。
「ねぇ!!聞いてくださいなんし!!」
桃が今日もスポーツウェアで大学へやってきた。
「今日さ!朝ゆっくりでよかったから、ゆっくり家出たの!そしたら、中学生の登校時間と被ったのさ!そしたらね!皆んな馬鹿みたいにでかいリュック背負ってんの!しかも!大体の子が、リュックがでかいからか、超超超!前屈みの猫背なの!ありえんてびっくり!」
「あ・・・そういえば、お母さんの時には、”学生鞄”で、今の学生が持ってる鞄ほど大きくなかったって言ってました・・・」
1回生の椿が思い出しながら言う。
「私の一番上の姉もそうだった、学生鞄って言っても、黒の手提げじゃなくてさ、基本肩掛けの鞄だけど、背負ったりもできるあの鞄でしょ?」
菜の花がビタミン豊富なジュースを飲みながら答えた。
「そうそうそうそうs!あんなでっかいの背負って!授業中は座ってて!運動部にでも入らなかったらそりゃ猫背で鬱気味にもなるさ!ずっと胸が下向いてんだもんな!!でも首は前むかなきゃだから上向いて!首やばいて!」
「まぁ、私たちが小学校とか中学校だった時と違ってさ、今は水筒とかも持ってるんでしょ?荷物沢山あるんだよ。片方掛けの鞄だとバランス取れなくて大変じゃない」
「確かにそうだけど!あれほどまでに猫背だらけの集団見てびっくりしたさ!ありゃ鬱予備軍だよ!アタシはね!こう思ったさ!
最近の中学生とか小学生はさ!運動して体力つけたり骨格形成の大事な時期にな?!コロナだったじゃんかよ!な?!それで、家の中で運動もしないでずっとタブレット勉強、ゲーム、タブレット勉強、ゲーム・・・いつ上むくんだよ?!鬱気味になるさ!
子供同士の喧嘩でも昔は信じられないほどの暴言吐いてたって聞いたし、まぁアタシも口悪かったからね?!酷い事だって言ったわさ!でも、女子だろうが男子だろうが言い返してくる奴もいる!平気で無視する奴もいる!でもそれでいいんだよ!『は?自分何も悪くないんですけど?間違ってませんけど?』って、全員がそう自分に自信があったんだよね!」
「それ厨二病的な?」
「まぁ、そうとも言うかもね。でも、みんな強かった!強かったよそりゃ!」
「うちの姉もレディース入ってる時あったけど、そりゃもう酷いもんだったわよ」
「レディース・・・」
1回生の椿が震えながらただ会話を聞いている。
「レディースがいいか悪いかわかんねぇけんど、でもそうやってさ、打たれてもめげないし強い心を皆んな持ってるわけだよ!それが?!今は?!ちょっと言っただけで?!相手のことを思って言ったって?!いじめとか嫌がらせって思うわけで?!なんでこんな世の中になっちゃったのさ!そう!本当に大したことでもないことをね?!そうやって問題だとか自分が悪く言われたと言う心が!心が!心がなのだよ!」
「桃、話が飛んだよ」
「猫背になるとさ、気分て落ちるじゃん。よく上を向けって言われるし、実際上向くと気分良くなるし。確かに猫背気味でも、ゲラゲラ楽しそうに笑ってるけどさ、なんかこう、弱々しいよねってワタシは思ってしまった・・・。良くも悪くも、太った子って見なくなった。皆んな、股関節が弱々しくて、ナヨナヨして、みんな同じ歩き方に見えたよ!とりあえず帰り学生見てみ!びっくりすっから!」
「はいはい、見てみますよ」
「私もみてみます」
「こりゃ、学校の鞄を見直した方がいいね!昔の学生鞄の時は、皆んなふんぞり帰って胸張ってたもんね!胸張るってことは、自信に満ち溢れたポーズ!手持ちの学生鞄の時なんかきっともっとだわ!みんなだから強かったんだ!パワハラとか捻り潰してやったって母ちゃん言ってた!」
椿はノートを開き、今日の日付を書いた後に、文章を書く
「えっと・・・『最近の学生が背負う鞄は大きすぎて猫背になる。猫背が、鬱の原因の可能性有り】・・・っと」