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13話 : 病名



「『病名』ってさ、出来ることなら”言われたくない”と思わない?」



「思うわ」

「わかるし!」


 百合が大学の図書館で借りた本を読みながら、同級生二人に話しかけた。


「重いものでなくて『○○症です!』とかそういうのも言われるのもアタシは凄くやだ!『は?だたちょっと怪我して動きづらいだけだろ?』とか思う!」



「”病名を告げる”って、メンタルを弱くしたり、あぁ、『私ってそうなんだ・・・』とか、逃げたり、逆に『私はこういう病気だから!』って開き直る人いるわよね」

「それなーーーー!!!!!」


 桃と葉の花が提供された話題で盛り上がり始めた。


「外科的なものはさ、時間が経てば良くなるものは別として。例えばさ、精神的な病名とか言われて『なにくそ!!そんなもんになってたまるか!って反骨精神的に頑張って治そうとする人もいるだろうけど、中には◯◯病だから・・・とか◯◯◯症候群だからって、諦めに向かったり、むしろそれを盾にしたり、言い訳にしたりさ。まぁ、自分を護るためにそうしているんだろうけど」


「盾にし過ぎるのも良くないよな、盾はそのまま殻になりそうだもんな」

「わかるわかる!高校の時に居た!『私、実は◯◯症候群なの・・・』って言われて突然の事にびっくりしちゃったわ!でも、別に見た目に何が変わってるって訳でもないし、『ちょっと落ち込みやすかったり、気にするタイプの子だな?』くらいにしか思ってなかったのに!」


「菜の花!そう!それ!ちょっとそういう”()()()()()”だけなのに!病名を付けられちゃうの!逆に、別になんともない、誰しもが通るだろうそういう状態に、”病名”をわざわざ付けたの!!名付けたの!!わ!ざ!わ!ざ!!」


「おぉおう、百合が燃えております」

 久々の百合のテンションの上がり方を見て、普段テンションの高い桃が冷静になる。



「ちょっと考え込みやすい性格だよね。なんでも一番になりたがるよね。いつも不安がってるよね。心配性だなぁ。確かに、他の人と比べて多少は目立つのかもしれない。でも、生活に問題はないし、その人が何を気にするかは育ってきた環境にもよるわ。ちょっと人よりその傾向が強いからって!しかも、今はその病気に関する”こんな症状出てませんか?”がネットに蔓延ってるわけ。それを見て”自分で”さらにそう思い込むわけ」


「思い込みの力は凄いからね!」


 次は菜の花がイキイキとし始めた。


「確かに、その症状がどうしようもない状態まで強く出たならそれは病名がついても仕方ないと思う。ただ、セルフチェックだとかそんなので”自分はもしかしたら◯◯病かもしれない・・・”と思いながら過ごしてたら、メンタルに毛ほども良くないわけ。しかも、その段階で”私は◯◯病だからさー”って言って、諦めたり、学生だったらその病気が格好良いとか厨二病的な発想になるわけよ」


「昔!メガネしてるのカッコいいから目悪くなりたいって思ったことあった!ちょっとの期間だけど!ゲームのやり過ぎで結果視力落ちてメガネにしたら!アタシめっちゃメガネ似合わなくて後悔した!」

「桃のその話しは一旦置いておきましょう」


「それに、昔からあったのかどうかは知らないけど、病名も凄く増えてるそれが本当に新種なのか・・・まぁ私が特に思ってるのは『精神疾患』に関しての病名だけどね」

「とりあえず、精神疾患に関しては運動で割と改善するから、そんなに落ち込まなくても良いと思うんだけどな」

「まぁ、それは私たちの意見だから」

「人間、いつもメンタルが軽やかでいたいものだけど、そういかない時だってあるわ。でも、それって誰にでも起きうることだからさ。何日か、何週間か、何ヶ月か、気持ちが晴れないことなんて誰にでもあるわよ。私だって憂鬱な気分が続いた事が半年くらいあったわけだし」

「なっが!百合にしては長いかったわね」



 「ほいじゃ、書くか!【病名を付けることが、より病気と思い込み良くない方向へ考える人たちもいる。たとえ、全く問題のない状態だとしても・・・】っかな!」

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