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怖いのよ 敵はテクノロジー
●怖いのよ
「ねえ、おばけって、国によって違うじゃん?」
「そう?」
「そうだよ。日本は女の幽霊が主だけど、外国だとゾンビとかでしょ」
「だから?」
「おばけが想像の産物だって証拠。本当にいたら、どこだって同じになるはず……」
「あ。なに、あれ?」
「キャー!」
「ちょっと、大丈夫?」
「なんとか」
「そんな、おばけ屋敷内で理論武装したって意味ないよ」
●敵はテクノロジー
「ねえ、見て。これ、心霊写真。すごくはっきり写ってるでしょ。怖くない?」
「……」
「どうしたの? 冷めた顔して」
「こういうの、今、いくらでも作れるじゃん」
「いや、作ってないよ。本物だって」
「もしそうでも、みんな、私みたいなリアクションをすると思うよ」
その後、私は同志たちと連絡を取った。
「みんなも? じゃあ、もう一回集まろう」
そして、再び会議を開いた。
「我々幽霊の居場所がなくならないように、また話し合いましょう」