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おめでたい話 現代に甦ったプチャーチン
●おめでたい話
受験生の子を抱えた女性が、知り合いの別の女性に話した。
「うちの息子、医科歯科大学に合格しまして」
「すごいですね、イカ鹿大学なんて」
「イカ鹿大学じゃありません。医科歯科大学です」
「はい。イカ鹿大学ですね」
「違いますったら。医科歯科大学です」
「ですから、イカ鹿大学ですよね?」
「だーから、生物のイカと鹿の大学じゃありません」
「私たち会話しているのだから両方『いかしか大学』なのに、なぜ生物とわかるんですか?」
「ほんとだ!」
●現代に甦ったプチャーチン
「久しぶりだな、日本。こうなったか」
彼、プチャーチンは、日本の歴史の教科書に登場する人物である。
「うわっ」
キョロキョロしながら歩いていたために、若者とぶつかってしまった。
「おい、おっさん。ボケッとしてんなよ」
「失礼な。私は日本を開国に導いたプチャーチンであるぞ」
「はあ? お前、知ってるか?」
「知らなーい。マサくんなら知ってるんじゃない?」
「日本を開国に導いた? ペリーなら知ってるけど」
そのやりとりを見ていた他の人も皆、首をひねったのだった。