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こんな過去があったのではと推察 その三 意外とこんな感じだったりして
●こんな過去があったのではと推察 その三
「なあ。この前、太郎が言った、『のどから手が』ってやつ、あるじゃん?」
「ああ」
「あれ、俺もすげえ欲しいことを言うのに、つい使っちゃったんだ」
「ええ? あんなにキモいのを?」
「だよな。でも、マジで」
「正気かよ。異常にキモいんだぜ」
「わかってんだけど、なぜだか」
「ぶっちゃっけ言うと、俺もなんだ」
「わいも」
「おいらもでやんす」
●意外とこんな感じだったりして
「オラ、邪魔だ、どけ!」
「うわっ」
中大兄皇子は蘇我入鹿に突き飛ばされて転んだ。
「もっと周りを注意して歩くんだな、皇子さんよ」
「くそー」
そこへ、一人の男が現れた。
「大丈夫ですか?」
「ん? お前は?」
「私は中臣鎌足と申します。中……えっと……何だっけ?」
鎌足は最初「中大兄皇子」が読めなかったのだった。