ケンカ 好きな食べ物
●ケンカ
「ケンカするな」
小学生の弟が友達とケンカしているのを目にし、俺は止めた。
遊びの帰りになったようで、うちの家の前でしていたのだ。
俺が割って入ったことで、気まずそうに友達は帰っていった。残った弟に訊いた。
「何が原因なんだ?」
「あいつが、兄ちゃんをかばいやがったんだ。何も知らないくせに」
「え? 俺?」
「『うちの兄ちゃん、たまにすげー意地悪するから、ろくな死に方しない』って言ったんだ」
「ケンカするな」
小学生と中学生の息子二人がケンカしているのを目にし、私は止めた。
●好きな食べ物
自慢じゃないが、僕の家は金持ちだ。自慢じゃないから、そのことは口にしない。
しかし、どこからか嗅ぎつけてくる人はいるものだ。
また、その人が言いふらすのだろう、しばらくすると、皆が知っている状態になる。
そして、こちらは普通にしてるのに、気に食わないという態度を示してくる人も大抵いる。
そうした場合、好きな食べ物の話になると助かる。ならなければ、自らするときもある。
「僕が好きなのは、焼きそばパン」
そう言うと、一気に好感度がアップする。嫌悪感が強かった人ほど友好的になるのだ。
金持ちなのにぜいたくしてないし、いい気になってもいないと思うのだろう。
焼きそばやコッペパン単体では多分そうならない。焼きそばパンというのが絶妙なのだ。
なので、本当に好きだが、味以上に存在が大好きなのである。焼きそばパン、最高!