噛み合わない 死ぬまでにやりたいこと
●噛み合わない
「あー」
私が悩んでいると、友人の敦子がやってきた。
「どうしたの?」
「悪いクセが直らなくて」
「なら、やらないように三週間続けるのがいいんだよ。そうすると習慣化して直るんだって」
「でも、私、三日坊主なことに悩んでんだけど」
「だから、三週間続けてみなって」
「三日坊主なのに?」
「そうだよ」
「それができねえから悩んでんだろうがい。アホなのかよ!」
●死ぬまでにやりたいこと
「ねえ、あんたが死ぬまでにやりたいことをしようよ」
「ああ、映画やドラマでよく見るやつね。でも、私元気なのに?」
「だって、突然死んじゃう可能性もあるし、何でもできる状態のときがいいよ」
「なるほど。じゃあまず……高級なお寿司をお腹いっぱい食べたいかな」
そして私たちはお寿司屋に向かい目的を果たした。
「次は?」
「そうだな……高級なお肉をお腹いっぱい食べたいかな」
そしてそれをやり終えて——。
「だったら次は……高級なお菓子をお腹いっぱい食べたいかな」
そして私は彼女のやりたいことに同行するのをやめたのだった。




